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「大寒」

2018.01.20

今日の松江は雲の多い朝を迎えています。時折小雨も降っているようですね。★暦の上では一年で最も寒さが厳しくなるとされる「大寒」を迎えました。先週の寒波は落ち着いて、ここ数日は比較的穏やかな天気となっています。大寒は「冷気が極まって最も寒さがつのる時期」という意味があるそうで、この時期は空気中の雑菌も少なく水質も良いことから、昔から味噌や醤油、日本酒などを仕込み始めるのには適しているとされています。寒さの厳しいこの時期も大切な恵みの季節と言えるかもしれませんね。また、武道などにおいては「寒稽古」や「寒修行」などと呼ばれる伝統的な稽古法の多くもこの時期に行われます。これは近年の科学的なトレーニングとは対照的なものですが、体力的、技術的な向上を目指すというより、精神的な鍛錬に重点が置かれていることが多いようです。仏教においても寒さの中での修行は古くから行われており、「寒行」や「滝打ち」、神道では冷水や海水を浴びて穢れを落とす「禊祓」などが知られています。今年初めて出掛けた今朝の松江城の椿谷の梅も、まだ春を迎えるには早いという様子でした。★週明けからはまた気温が低くなりそうです。インフルエンザも流行っているので十分留意したいですね。

「高岡銅器」

2018.01.13

今週は松江も随分雪が降りました。全国的には大雪になった地域もあったようですね。★仏具のうち「花立」や「火立(燭台)」などの金属仏具のほとんどは富山県高岡市で作られます。寺院の「梵鐘」や「銅像」なども同様に高岡市で作られるものが多く、高岡市は国内の銅器の生産額の95%を占めるほどになっています。もともと「高岡銅器」の起源は江戸時代に加賀藩主の前田利長が高岡城下の繁栄を図るために「鋳物師(鋳造師)」を保護したことに始まると言われています。高岡の鋳物師は日用の鍋や釜などの「鉄器」を作っていたそうですが、のちに需要に応える形で「銅器」などの生産に移行したとされています。私たちの仕事にも「高岡銅器」は欠かせない存在で、問屋様、メーカー様には以前から大変お世話になっています。また、高岡市といえば「万葉の里」。ゆかりのある万葉歌人の「大伴家持」がこの地で多くの歌を残したことは広く知られています。家持は「今日降りし 雪に競ひて 我がやどの 冬木の梅は 花咲きにけり」(今日降った雪と競うように、我が家の冬木の梅の枝には、見事に花が咲いていることですよ)と詠んでいます。赴任先の越中(高岡)で春を待ちわびたのでしょうか。★今週で雪の峠も越えそうですね。来週からは晴れ間の見える天気になりそうな予報になりました。

「謹賀新年」

2018.01.04

今日の松江は早朝に雪まじりの冷たい雨が降りました。気温もそれほど上がらないようですね。★山陰のお正月三が日は比較的穏やかな天気になったようです。特に1月2日は春を思わせるような陽射しでしたね。日本のお正月は家に「歳神様」をお迎えする行事として定着しています。歳神(としがみ)とはその年の豊作と人々の幸福を守って下さる神様とされ、正月の門松やしめ飾り、鏡餅などもすべて「歳神様」を迎えるための準備とされます。行事としてのお正月は仏教伝来以前から存在するそうですが、現在のようなしめ飾りや鏡餅を飾る風習は、庶民にも品物を手軽に手に入れることが出来るようになった江戸時代からと言われています。今日、4日は私たちも仕事始めとなります。一年の目標を持って気持ちも新たにスタートしたいですね。古くから「和気致祥(わけちしょう)」という言葉がありますが「気持ちが穏やかであれば自ずと幸福が訪れる」という意味だそうです。日々の暮らしの中ではなかなか思い通りにならないことも多いものですが、慌てず穏やかな心で一年を過ごしたいと思います。★明日からも不安定な天気になりそうですね。来週からは雪も降りそうな予報になりました。

「道具の手入れ」

2017.12.29

今日の松江は雲の多い朝を迎えました。時折、小雨も降っているようですね。★今年も残りあと僅かとなりました。年内に納入する仕事はすべて終えましたが仏壇店の職人にとっては道具の手入れも一年の締めくくりの大切な仕事になります。画像は普段、私が使用しているもののうち年内に手入れをしておきたい道具です。画像の左側上段はお位牌の文字を彫刻する「小刀」と「柄」で、細い「本籐」で巻き付けてから研いで仕上げておきます。若い頃は小刀が上手く研げなくて苦労しましたね。右側の上段二つは「漆刷毛」で先端が傷んできましたので削り出しておきます。3段目は漆刷毛やヘラを削るための鞘付きの「横手小刀」ですがこれも研いでおきます。その下は漆刷毛の先端を掃除する時に使用する「ヘラ」で下地を塗る時に用いるものも含めて先端を削っておきます。シンプルな道具ですが、使用している「ヘラ」を見れば腕が分かるといわれるほど重要な道具になりますね。一番下は金箔を掴むための竹製の「箔はさみ」で私が二十代の頃から使用しているものです。これも表面を丁寧に掃除します。いよいよ年の瀬となりましたが、この一年ご愛顧を賜りましたこと心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。母里佛具店は年内12月30日(土)まで、新年は1月4日(木)より営業致します。★来るべき年が皆様にとって素晴らしい一年になりますよう心よりお祈り申し上げます。