「正月事始め」
2024.12.10
12月に入ると年内の雑務やお正月を迎えるための準備などで何かと気忙しくなります。大掃除やお正月の飾りなど、あれこれと準備しなければと思ってもいつの間にか年末を迎えてしまいますね。★年越しの間際になってからお正月の準備をするのは大変なもの。それでは一体、いつ頃から新年の準備を始めると良いのでしょうか? 江戸時代には12月13日は「鬼宿日(きしゅくにち)」という吉日にあたることから、新年を迎えるための準備を始める日とされていたようです。全国各地の神社やお寺で「煤払い」などが行われるのもこの時期からですね。これは掃除だけでなく厄除けの意味もあるそうで、幸多き一年になるよう祈りを込めて行うと言われます。★もともと日本の家々では新たな年とともに「歳神様」を迎えるという風習があったようです。歳神様はご先祖の御霊とも言われ、家々の幸せを見守ってくれる神様です。玄関のしめ縄や神棚のお供え、あるいは家族揃っての大掃除なども歳神様を迎えるための準備と言えそうですね。地域によって違いがあるようですが、一般にはこれら新年の準備に取りかかる日を「正月事始め」あるいは「正月起こし」などと呼んでいます。何かと慌ただしい師走ですが、お正月の準備を整えて気持ちも新たに新年を迎えたいものですね。★今日も松江は肌寒い天気になっています。突然、雨も降り始める不安定な天候ですので外出時には傘が手放せないようです。
「成道会」
2024.11.30
11月の終盤は不安定な天候が続きましたが、昨日は久しぶりに晴れ間が見えるほど回復していました。堀端の楓も鮮やかに色づいていますね。★12月に入ると間もなく「成道会(じょうどうえ)」の時期を迎えます。12月8日はお釈迦樣が悟りを開かれた日とされ、これを記念して各地の寺院でこの法会が執り行われます。お釈迦樣は紀元前5世紀頃、現在のインドとネパールの国境付近の小国である「釈迦族」の王子として生まれました。実名は「ゴータマ・シッダールタ」。家族や召使いにも恵まれ、何不自由ない生活を送っていましたが、ある日、病人、老人、死者、修行者の姿を目の当たりにして、世の無常について深く考えるようになります。この世における逃れようのない「苦」をいかに受け止め、解決するべきかという答えを求め、ついには城を捨て妻子を捨てて出家に踏み切りました。★シッダールタは周囲の宗教者、修行者、聖者たちの説く教えを聞きましたが、納得することができず、断食などの難行苦行を究めても答えは得られませんでした。そして、山を下りたシッダールタは新しい修行の道を模索することにします。ブッダガヤと呼ばれる土地で菩提樹の下に座し、ひたすらに座禅を続けました。そして、出家してから6年目の12月8日、ついに暁の明星を見て真理を悟り仏陀になったと伝えられます。この時35歳。「成道会」はこの出来事に由来しているとされています。
「新嘗祭」
2024.11.20
暦の上では間もなく「小雪(しょうせつ)」を迎えます。今週に入ってからは気温も下がって秋も深まっているように感じますね。★今年もあと1か月余りとなりました。私たちの仕事では年を越して納品するものもありますが、業務としては一年をひと区切りとしますので年末に向けていよいよ慌ただしくなります。12月になると寒さも一段と厳しくなるので体調管理に留意しながら一年を締めくくりたいものですね。★鹿島町にある佐太神社では例年この時期に「神在祭(お忌まつり)」と呼ばれる例祭が執り行われます。古くから出雲地方では旧暦の10月頃になると八百万の神々が集まる神在祭がいくつかの神社で執り行われており、佐太神社の神在祭は文献上でも極めて古くから執り行われているとされています。祭りの次第も古式に従い、約500年前の記録とほぼ同じ内容で行われているそうです。★神在祭では20日に「神迎神事」、23日に「新嘗祭」、25日に「神等去出神事」が斎行され、23日の「新嘗祭(にいなめさい)」はその年の収穫に感謝して新穀を神前にお供えし、来年の豊穣を願う行事とされています。これは日本書紀にも登場する古くからの宮中祭祀で、全国の神社でも執り行われます。現在では「勤労感謝の日」として広く知られていますが、戦前は「新嘗祭」と呼ばれる祝日だったそうです。大自然の恵みや、今日を生きていることそのものに対する「感謝の日」と言えそうですね。
「京都・南禅寺」
2024.11.10
暦の上では立冬を迎えて朝晩の気温も徐々に下がり始めています。周辺の木々も色づき始めていますね。★私たちはこの時期になると京都で開催される仏壇・仏具の展示会に出掛けます。仏壇やお位牌をはじめ仏具、陶器、念珠、仏像、金襴、掛軸、お線香、ローソクなど多くのメーカーが出品するので私たちにとっては欠かせない展示会となっています。今回は新たな仏具の展示も多く、時間を掛けて丁寧に見学させていただきました。★また、展示会のあと僅かな時間でしたが南禅寺を拝観しました。南禅寺は臨済宗・南禅寺派の大本山で、臨済宗の中でも極めて高い格式を持つ寺院となります。画像は南禅寺の入り口にある三門回廊から北山方面を撮影したものです。京都の町並みは風情がありどこの風景も素晴らしいのですが、この三門からの眺めも絶景のひとつと言えるのではないでしょうか。★南禅寺の三門は永仁三年(1295年)に建立され、応安年間に改築されたものの、文安四年(1447年)の火災で焼失。現在の三門は寛永五年(1628年)、大坂夏の陣に倒れた将士の菩提を弔うために再建されたそうです。歌舞伎「楼門五三桐」に登場する石川五右衛門の「絶景かな 絶景かな」という有名な台詞はこの三門からの眺めがもとになっていることで知られています。始めて訪れる方にとって、ここからの眺めはちょっとしたサプライスですね。