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「盆提灯」

2024.06.10

松江では一昨日から降り続いた雨も上がり、今日は青空も見える朝を迎えました。日中の気温も上昇する予報になっていますね。★お盆の時期には少し早いような気もしますが、店内では盆提灯の展示を始めました。盆提灯は画像のような「大内提灯」と呼ばれる足の付いた組み立て式のものが基本形ですが、近年はモダンなお仏壇に合うシンプルな構造の提灯も多くなってきました。★山陰地方では一般に八月のお盆に縁側や玄関口、仏間などに盆提灯を灯しますが、盆提灯はいつ頃から用いられるようになったのでしょうか。古い史料によると提灯は大陸から伝わったとされ、もともとは折りたたみのできない竹籠に紙を張っただけの簡単なものだったようです。藤原定家の「明月記」の寛喜2年(1230年)7月の条には「近年民家にて今夜長竿を立て、その先に燈籠の如きものをつけ、紙を張り、燈をあげて遠近これあり」という記述があることから、鎌倉時代にはすでに家ごとにご先祖の精霊を迎える風習があったと考えられています。★折りたたみ可能な提灯が考案されたのは室町時代の後期で、江戸時代には岐阜地方に産する竹を骨として、特産の美濃紙を張った岐阜提灯が知られるようになり、有数の産地として発展したという記録が残っています。★電気などのない時代には、菜種油などに火を灯す明かりそのものが貴重で、仏前で灯す提灯や燭台の明かりも古くから大切なお供えのひとつだったのかもしれませんね。

「芒種」

2024.05.30

今日の松江は爽やかな朝を迎えました。日中の気温も上昇して「夏日」となりそうな予報になっていますね。★暦の上では間もなく「芒種(ぼうしゅ)」。芒種は二十四節気の一つで暦便覧には「芒(のぎ)のある穀類、稼種する時なり」と記されています。古くから稲などの穂先の針のような突起物(芒)のある穀物の種を蒔く(植える)時期とされてきたようです。先日通り掛かった浜佐田地区の水田でも田植えが随分と進んでいるようでした。★日本では随分古くから稲作が行われていたようで、確認できる最古の水田跡は2500~2600年前の縄文時代晩期の菜畑遺跡(佐賀県)のものになるそうです。同じ時代のものと見られる坂元遺跡(宮崎県)からも水田跡が発掘されており、九州地方から水田稲作は広まったと考えられています。稲作が大陸から伝来したと考えれば、なるほどという気がしますね。弥生時代になると本格的な農耕が開始され、稲の豊穣を祈る「穀霊信仰」なども発達したとされています。穀霊信仰は穀物の霊に対する信仰で、この世のあらゆるものに霊が宿るという「精霊信仰」のひとつと言われています。現在の日本における収穫祭や先祖崇拝などの形もこの時代の信仰にルーツを持っているのかもしれませんね。★賑やかだった軒先のツバメも静かに抱卵を始めたようです。いよいよ梅雨入りの時期となりそうですね。

「盆提灯の修理」

2024.05.20

ここ数日は穏やかな天候が続いています。今日は全国的に好天に恵まれる予報になっているようですね。★暦の上では「小満」を迎えました。小満は「万物の成長する気が徐々に強くなり、天地に満ち始める頃」とされています。秋に蒔いた麦の穂が順調に育ち、少しだけ安心できる頃であることから「小満」と呼ばれるようになったとも言われています。気候も良くなり、これからは何をするにも適した過ごしやすい時期と言えそうですね。★例年、連休を過ぎる頃から盆提灯の修理のご相談をいただくようになります。盆提灯を出してみたら虫食い穴が開いていた、というトラブルのご相談をいただくのもこの時期からでしょうか。一般に紙や絹を食べる小さな虫が原因と思われますが、デンプン質の糊を好物にしている虫もいますので盆提灯の「火袋」は特に被害を受けやすいようです。丁寧に掃除をして収納したつもりでも火袋に直接卵を産み付けることがあり、秋以降に提灯の箱の中で孵化した虫が火袋に穴を開けてしまいます。収納する際に防虫剤を入れて、比較的湿気の少ない場所で保管すれば良好な状態を維持することができます。また、電装部品や木地の修理なども可能ですので、損傷のある場合はお早めに専門店にご相談ください。★今日は松江でも青空の広がる朝となりました。日中は気温も上昇しそうですね。

「神々の美術」

2024.05.10

好天に恵まれた大型連休が明けると上着なしでは外出できないほど気温が下がりました。今日は久しぶりに穏やかな一日になりそうですね。★松江市殿町にある松江歴史館では4月26日(金)から6月16日(日)までの予定で「企画展/神々の美術」が開催されています。普段、あまり目にすることのない出雲地方の神仏や仏像、神宝が多数展示されます。特に企画展ポスター中央の「木造十一面観世音菩薩立像」はぜひ見ておきたい仏像のひとつではないでしょうか。頭上に十一面の化仏が表され、左手に未開敷蓮華(みかいふれんげ)を挿した水瓶を持つ高さ141㎝の美しい観音像。1921年に行われた解体修理の際には「文永年間(1264~1274)」の墨書きが見つかっており、鎌倉時代の製作であると推察されています。奈良時代から平安時代に製作された仏像に比べると写実的で洗練された表情となっており、国の重要文化財にも指定されています。★この観音像が造られたとされる「文永年間」はどのような時代だったのでしょうか?天皇は亀山天皇から後宇多天皇、幕府の将軍は宗尊親王から惟康親王、執権は北条氏。歴史的には蒙古襲来の「文永の役」が起きた時代として知られています。展示されている十一面観世音菩薩立像が、幾度かの修復を受けたとはいえ気の遠くなるような時間を経た今、ほぼ当時のまの状態で鑑賞できることには驚くばかりです。★明日までは青空が広がりそうな予報になりました。気温も上昇しそうですね。