「出雲大社・宇豆柱」
2022.01.10

松江は比較的穏やかな天候で新年を迎えました。元旦も大きな天気の崩れはなく、神社には多くの方々が参拝されていました。★私たちは新年になると気持ちも新たに神社などに初詣に出掛けますが、神々を崇拝する文化はいつ頃からあったのでしょうか。「古事記」や「日本書紀」によれば日本には古くから多くの神々が存在していたと記されています。例えば「古事記」に登場する神話の多くは、オオクニヌシの活躍やスサノオの大蛇退治などの「出雲神話」であり、古代出雲は神々にまつわる有力な地域であったことが想像できます。しかし、これらはあくまでも神話であり、実態のない伝説という見方が考古学的な定説とされていたようです。しかし、1984年に神庭荒神谷遺跡から358本の銅剣が出土したことで、定説は覆されることになります。さらにその後、同遺跡から銅矛や銅鐸が出土し、2000年には出雲大社境内遺跡から巨大神殿を支えていた巨大柱(宇豆柱)が発見され、まだ明らかにされていない部分は多いものの、神話と見られていた古代出雲国家の信憑性が高まりました。神話はその国の風土や歴史、あるいは人々の精神性を表すとされていますが、古事記や日本書紀の編纂された時期を考えると、遅くとも8世紀頃には神々を崇拝する文化の起源があったと言えそうですね。★穏やかな新年とは裏腹に、新年早々にパソコンが壊れてしまいました。最後にデータを保存してから少し時間が空いたので、一部のデータを失うことになり油断があったと反省しています。現代社会の中でのパソコンのない生活は不便なものと感じますね。新年早々厳しい戒めとなりましたが「あらゆる場面を想定したリスク管理が」今年一年のテーマになりそうです。
「年の瀬」
2021.12.27

山陰でも昨日から冬型の天候になっています。山沿いだけでなく各地の平野部でも雪が降り、昨日は松江城も久しぶりの雪景色となりました。★今年も残すところあと数日となり、慌ただしかった一年が終ろうとしています。私たちも年内納品の仕事の目途がついて、いよいよ年越しの準備を始めることになります。振り返ってみると今年も色々なことがありました。やはり新型コロナの影響が大きく、手探りで前進した一年だったという印象です。国内ではオリンピック開催や衆議院選挙もあり、様々な事業が新型コロナに翻弄されたのではないでしょうか。また、自然災害や信じ難い事件、事故なども起きており、穏やかではない場面も少なからずありました。身の回りの出来事も含めて、自分に届く情報は全体のほんの一部分かも知れませんが、その一部でさえ自分で消化することができなかったように感じています。2021年の新年のブログには一年の抱負として、「八正道」の中の「正見(しょうけん)」を掲げました。これは「正しく見ること」「先入観を持たず、ありのままに見ること」となります。一年を終えようとして「正見」を実践することの難しさを改めて感じた年でもありました。★いよいよ年の瀬となりましたが、この一年ご愛顧を賜りましたこと心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。来るべき年が皆様にとって素晴らしい一年になりますよう心よりお祈り申し上げます。母里佛具店は年内の営業は12月30日(木)の正午まで、新年は1月5日(水)より営業致します。
「師走」
2021.12.15

今日の松江は小雨の降る朝を迎えました。大雪を過ぎてからは朝の冷たい空気も日増しに冬らしさを感じるようになっていますね。★今年も残すところあと半月となり、何かと気忙しくなってきました。「師(先生)も走り回るほど忙しい」として私たちはこの時期を「師走」と呼んでいますが、いつ頃からこのように呼ばれるようになったのでしょうか?その始まりは定かではないようですが、奈良時代に成立した日本書紀(720年)の中にはすでに「十有二月(シハス)」という言葉が登場しているそうです。その後に編纂された万葉集などにも「十二月(シハス)」という記述があり、今から千数百も前の言葉という説が有力視されているようです。現在のように12月を「師走(しわす)」と呼ぶようになったのは江戸時代(元禄)以降と言われており、年末に僧侶(師)が各家庭を回ってお経を唱えるという習慣があったことから「師走」という文字が当てられたとか。いずれにしても一年の締めくくりの月でもあり、誰もが慌ただしくなる時期と言えそうですね。★例年、この時期になりますと年末年始を迎える関係で、お位牌の戒名入れの納期が不安定になってまいります。当店ではお位牌の彫刻、金文字ともに1週間のお時間を頂いておりますので12月23日までにご依頼いただきますと年内に間に合うようご準備させていただきます。ご迷惑をお掛けいたしますがよろしくお願いいたします。朝晩の冷え込みが一段と厳しくなっています。体調管理には十分留意して歳末を乗り切りたいものですね。
「お釈迦様は何を悟った?」
2021.12.05

12月に入ってからは各地で冷たい冬の風が吹き始めているようですね。数日前には松江でも小雪が舞うほどの寒さになっていました★12月8日はお釈迦様が菩提樹の木の下で悟りを開かれた日とされることから、この日は各地の寺院で「成道会(じょうどうえ)」が執り行われます。これはお釈迦様の誕生を祝う灌仏会(4月8日)や命日に勤める涅槃会(2月15日)と並んで、釈尊三大法要の一つに数えられています。南伝〈南方〉仏教では「ウェーサク(Vesak)祭」として5月の満月の日に仏誕会、涅槃会と共に行われているようです。★2500年も前の12月、お釈迦様は一体何を悟られたのでしょうか?多くの書物には「世の中のすべてのものは互いに支え合いながら絶えず変化している(縁起)。それぞれが原因(因)と条件(縁)となってその姿を変えている。しかし、私たちはそれを認めようとせず、自分がその中心であるかのように錯覚し、欲望から自分の思い通りにしようと考えてしまう。そして、それが叶わないことから苦しみが生まれ、悩むことになる。」という真理にたどり着いたとあります。また同時に、これらの苦しみを滅するための具体的な方法を「八正道」として示され、人としての正しい考え方や生き方を説かれたとされます。現在でも「諸行無常」「諸法無我」「一切皆苦」「涅槃寂静」などの真理は「四法印」と呼ばれ広く知られていますね。