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「清明」

2018.04.14

今日の松江は雲の多い朝を迎えました。午後からは雨になりそうな予報になっていますね。★お彼岸を過ぎてから慌ただしさの中、時間に追われるまま過ごしていたらもう4月の中旬。暦の上でも「清明(せいめい)」を迎えていました。今年の「清明」は4月5日、「穀雨」までの約2週間を言うこともあります。「清明」は万物がけがれなく清らかで生き生きとしているという意味だそうで、花が咲き、鳥が歌う爽やかな季節です。中国では「清明節」と呼ばれ、この時期にご先祖の墓参りをして草むしりや掃除をする習慣があるそうです。日本におけるお盆のような文化でしょうか。現在でも沖縄では「清明祭(シーミー)」と呼ばれ、墓前に親族が集まってお供えをし、ご馳走をいただく習慣が一般的になっているそうですね。★気候の穏やかなこの時期、私たちの工房ではお仏壇や仏具の修理で忙しくなります。お初盆に間に合うようにお仏壇をきれいにしたいというご要望が多くなる時期ですね。画像は30年前にお求めいただいたお仏壇ですが、この度、クリーニングのご依頼でお預かりしました。表面にはお線香の煤(すす)やローソクの油煙が付着していましたので煤洗いを中心とした処理を施しています。洗いは細かな彫刻部もありますので割れなどに注意しながら丁寧に作業を進めなければなりませんね。★週末は不安定な天気になりそうですが、週明けからは好天に恵まれそうな予報になりました。

「山桜」

2018.03.30

今日も松江は朝から好天に恵まれています。気温も上昇して穏やかな一日になりそうですね。★お彼岸の前半は不安定な天気でしたが中日を過ぎるとすっかり春の陽気となって、松江でもあちらこちらの桜が咲き誇っています。昨日訪れた奥谷町の桐岳寺本堂の裏山の山桜も満開となっていました。「もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかに知る人もなし」(百人一首/前大僧正行尊)。行尊は12歳で出家し各地で修行、二度も寺を焼き討ちされながらも敵を恨まず托鉢によって寺を再建し、後に大僧正にまでなった平安時代後期の僧侶です。深い山中で花を咲かせても、誰の目にもとまらないであろう。けれどこの山桜は、嵐で倒れてもなお、あのようにたくさんの美しい花を一生懸命咲かせている。自分たちは、誰も見ていないところで厳しい修行に明け暮れてきた。寺は理不尽にも焼き討ちに遭って無くなってしまったが、あの山桜を見習って、焼け野原からまた立ち上がって行こうではないか。この句は寺を焼き討ちにされた後も諦めず、托鉢で行脚する中、深い山の中で幹から折れている桜が精いっぱい花を咲かせている姿を見て詠んだと言われます。★松江城二之丸の桜は八分咲きになっているそうです。平年よりずいぶん早く見頃を迎えていますね。

「梅開早春」

2018.03.18

今日の松江は朝から晴天に恵まれました。気温も18度まで上昇するそうです。★今日、3月18日はお彼岸の入り。春分の日を中日として前後の3日を加えた7日間を「春のお彼岸」と呼びます。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉の通り本当に穏やかな気候を迎えました。昨日は久しぶりに松江城の椿谷まで出掛けましたが天気も良く、このところの暖かさで梅の花も甘い香りを漂わせていました。早いところではすでに満開になっている梅も見かけますが、椿谷の梅はまだ蕾も多く七分咲きといったところでしょうか。お彼岸を迎えていよいよ春の訪れを感じますね。★道元禅師の師匠である如浄禅師は「梅開早春」と詠まれました。これは「梅、早春に開く」ではなく「梅、早春を開く」と読むそうです。春が来たから梅が咲くのではなく、梅が咲くから春が来るとしています。春になったから梅が咲き小鳥が鳴くのではなく、梅が咲き小鳥が鳴くから春になるとし、寒い冬を耐えてこの時期に咲くあらゆる百花千草や命はかけがえのない価値であり、そのすべてが穏やかな春を織りなしていると捉えることができるそうです。勇気をもらえる言葉ですね。★明日からはまた雲の多い天気になる予報になりました。一雨ごとに暖かさも増してきそうですね。

回出位牌修理③

2018.03.06

今日の松江は雲の多い朝を迎えています。一昨日は各地で春のような陽気になったようで、松江でも最高気温は22度まで上昇しました。昨日も雨模様になりましたが、冬のような冷たい雨ではありませんでしたね。今日、3月6日は暦の上では「啓蟄(けいちつ)」と呼ばれます。啓(けい)は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土の中で冬ごもりをしている虫」という意味だそうで「春の訪れを感じて冬眠していた虫が這い出して来る頃」とされています。まだ寒い日もありますが、少しずつ春らしさを感じる日が多くなりそうですね。★回出位牌の修理は最後の工程となりました。漆が十分に乾きましたので金箔を押し、扉金具を取り付けて組み立てます。画像はまだ仮組みの段階で、扉の表金具は固定していません。このあと正確な位置を出して釘を打ち付けて固定します。全体的には扉、胴回りなどの金箔以外の部分も艶消しで塗りましたので落ち着いた仕上がりとなりました。今回、施されていた金色塗料は当初から剥離している部分もありましたが、奥深く入り込んでいた箇所もあり、その対処については様々な方法を準備しなければならないと感じました。★明日からはまた肌寒い天気になりそうな予報になっています。しばらくは雲の多い日が続きそうですね。