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スタッフブログ

「山桜」

2018.03.30

今日も松江は朝から好天に恵まれています。気温も上昇して穏やかな一日になりそうですね。★お彼岸の前半は不安定な天気でしたが中日を過ぎるとすっかり春の陽気となって、松江でもあちらこちらの桜が咲き誇っています。昨日訪れた奥谷町の桐岳寺本堂の裏山の山桜も満開となっていました。「もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかに知る人もなし」(百人一首/前大僧正行尊)。行尊は12歳で出家し各地で修行、二度も寺を焼き討ちされながらも敵を恨まず托鉢によって寺を再建し、後に大僧正にまでなった平安時代後期の僧侶です。深い山中で花を咲かせても、誰の目にもとまらないであろう。けれどこの山桜は、嵐で倒れてもなお、あのようにたくさんの美しい花を一生懸命咲かせている。自分たちは、誰も見ていないところで厳しい修行に明け暮れてきた。寺は理不尽にも焼き討ちに遭って無くなってしまったが、あの山桜を見習って、焼け野原からまた立ち上がって行こうではないか。この句は寺を焼き討ちにされた後も諦めず、托鉢で行脚する中、深い山の中で幹から折れている桜が精いっぱい花を咲かせている姿を見て詠んだと言われます。★松江城二之丸の桜は八分咲きになっているそうです。平年よりずいぶん早く見頃を迎えていますね。