「開花」
2020.03.25

いよいよ春らしい気候になりましたね。今日は松江でも朝から雲のない爽やかな青空が広がっています。★先週までは天候も不安定で、松江城周辺の桜の蕾も咲く気配はありませんでしたが、昨日からの好天で一気に綻んだようです。今朝は二之丸付近のソメイヨシノも開花を始めていました。例年はこの時期からお花見のシーズンということで賑やかになりますが、今年は新型コロナウイルスの影響から自粛ムードになりそうです。松江市によると「松江城お城まつり」は4月1日(水)から12日(日)までに短縮して行い、ステージイベントや屋台などの出店は取り止めるとしています。また、期間中は夜間開放とライトアップを行うそうですが、宴会などについては自粛を呼び掛けています。★現在では「お花見」という文化が定着していますが、これはいつ頃から始まったのでしょうか。もともと「お花見」は貴族の宴だったと言われています。奈良時代には「梅を眺める」ことが主流だったそうですが、平安時代以降に「桜を観賞」する「お花見」が広まったと考えられています。812年に嵯峨天皇が行った「お花見」が記録に残る最も古いものだそうで、現在のようなお花見が庶民に浸透したのは鎌倉時代になってからと言われています。来年こそは普段通りのお花見ができるといいですね。★明日も好天に恵まれる予報になりました。ここ数日で一気に開花しそうですね。
「三学」
2020.03.15

昨日の松江は午前中、青空が広がっていましたが午後からは土砂降りになってしまいました。ここ数日、全国的に不安定な天候になっているようですね。★毎年お彼岸の前になると、近くにある普門院のハクモクレンが綺麗に咲き誇ります。この花が咲く頃には気温も上がって春の訪れを感じる日が多くなりますね。ハクモクレンは咲いている期間はそれほど長くはありませんが、独特のいい香りを放ちます。昨日もわずかな時間でしたが眺めることができました。★間もなく春のお彼岸。春分の日を中日として前後3日間を合わせた7日間が春のお彼岸となります。お彼岸にはお墓参りをするなど、ご先祖様に感謝し六波羅蜜(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)を実践する期間とされています。六波羅蜜はお釈迦様が説いたとされる「三学(戒学・定学・慧学)」が発展したものと言われています。「戒学(かいがく)」は戒律のことで、身口意の三悪を止め、善を修すること。「定学(じょうがく)」は禅定を修めることで、心の散乱を防ぎ精神を穏やかに保つこと。「慧学(えがく)」は智慧を修めることで、煩悩の惑を破りすべての事柄の真実の姿を見極めること。慌ただしい現代社会の中でこそ実践したいものですね。★明日はまた寒さが厳しくなる予報になりました。週の後半からは暖かな日差しが戻りそうですね。
「須弥壇 修復」
2020.03.05

今日は「啓蟄」。朝晩の冷え込みも徐々に穏やかになって春の気配を感じる日も多くなりますね。★3月には春のお彼岸を迎えますが、工房でも仏具の修理などで徐々に慌ただしくなりそうです。画像は修復でお預かりした在家用の須弥壇(しゅみだん)の修復途中のものです。裏には「文政九年丙戌十二月 大吉祥日」と墨書きされており、194年ほど前に作られたものであることが分かりました。在家用の須弥壇が残っていること自体珍しいのですが、状態は良く、大切にされてきたことが分かります。残念ながら、向かって右脇の高欄部分が欠損していましたので、新たに作り直して補うことにします。木地に透き漆を施しただけの素朴な作りですが、丁寧に組み上げられており、当時の職人の気持ちが伝わってきます。★須弥壇とは仏教寺院のご本尊を安置する場所とされ、仏像などを置く一段高く設けられた壇のことを指します。これは古代インドにおける世界観の中心にそびえる聖なる山とされる須弥山(しゅみせん)に由来するそうです。奈良時代までは仏堂が土間であったので石造や漆喰造が多かったそうですが、平安時代には仏堂の板敷に合わせて須弥壇も木造となったようです。現在、家の中に置かれる多くの仏壇の中央部分にも、この須弥壇の構造を見ることができます。★今日の日中は雨雲が残りそうですが、明日は穏やかな天気になりそうですね。
「新型肺炎」
2020.02.25

今日の松江は雲の多い朝を迎えました。午後からは雨になる予報になりましたね。★天皇誕生日をはさむ3連休の後半は穏やかな天気に恵まれたこともあって、松江城周辺では観光で訪れる方々も多く見られました。新型肺炎の影響でしょうか、堀川遊覧船にもマスクを使用して乗船される方が多かったようです。例年はインフルエンザの時期ですが、私たちも普段以上に注意しなければなりませんね。★医学が発達していない古代でも伝染病(疫病)が蔓延したという記録が残されています。「日本書紀」などに出てくる疫病は「天然痘」や現在の「インフルエンザ」の一種であったと見られています。平安時代に編纂された「三代実録」では上下水道が整備されていない不衛生な都市で原因不明の疫病が広まったという記録がありますが、これは「赤痢」であったと考えられています。また、世界的に人口を大きく減らすような病気は14世紀の「ペスト(黒死病)」が知られています。ネズミを保菌者としてノミが媒介するものだったそうですが、中国からヨーロッパで爆発的に広がったとされています。これは当時の世界人口4億5000万人が3億5000万人まで減少したほどだったそうです。現在のコロナウイルスも社会、経済、文化、スポーツなどに様々な影響が出始めています。一日も早い収束を願うばかりですね。★明日も雨雲が残りそうですが、気温はそれほど低くならない予報になっています。