header

blog

「清浄明潔」

2023.04.11

今日は穏やかな朝を迎えています。日中の気温も上昇しそうですね。★暦の上では「清明(せいめい)」を迎えました。これは「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」を略したもので、暦便覧には「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」と記されています。穏やかな気候とともに大自然の営みが活発になり、草木も生き生きと成長する頃と意訳されます。この時期以降には普段の生活の中でも寒さを感じることはほとんどなくなって、何をするにも良い季節になったように感じますね。★爽やかな春風が吹くこの時期になると、札所巡りや寺院などを巡っての供養が行われるようになります。松江では「六地蔵巡り」や「三十三観音巡り」などの札打ちが行われており、特に「松江六地蔵」は松江築城(慶長十二年・1607)以前からあったと言われ、古くから故人の冥福を祈り多くの人々が巡礼されてきたようです。「松江六地蔵」の起源については諸説あるようですが、地誌『雲陽大数録』には大庭社(神魂神社)から佐陀社(佐太神社)へイザナミノミコトの御神輿が巡幸されたさい、道筋で休み奉った所に地蔵を安置したと記されています。平安末期以降広く普及したとされるお地蔵さまが今もなお大切に祀られていることは、多くの人々の心の支えになってきた証なのかもしれませんね。★早くも玄関口ではツバメの姿を見かけるようになっています。日中には強い日差しも感じるようになりましたね。

「お花見」

2023.04.01

いよいよ桜も見頃を迎えて、各地で花見の催しが行われています。先週末には私たちの自治会でも花見会が開催され大いに賑わいました。残念ながら工房の仕事を残している私は皆さんとの花見には参加できませんでしたが、数日前にたまたま通り掛かった近くの神社の境内に咲く桜を堪能することができました。三色団子もお酒もない一人だけの花見でしたが、見頃を迎えた桜の放つ上品な芳香に癒されて帰りました。★穏やかな春の日に、満開の桜の花の下でお弁当やお酒を持ち寄って人々が集う習慣はいつ頃からあったのでしょうか?古い書物によると、すでに平安時代にはお花見の習慣があったようで、お祓い神事や宗教的な行事にその起源があるとされています。意外な感じがしますね。日本古来の神々の中には「サ」と呼ばれる山(田・稲)の神がおられ、「クラ」はその神が鎮まる座を意味することから、これらの神々が鎮座する木を「サクラ」と呼び、この木にお供え物をして豊作を祈るようになったそうです。サクラの木の下で宴を催すのはこれらの神事がのちに変化し、現在のような桜の花を観賞するという形になったと考えられています。お花見も大自然の営みの中で日本人が受け継いできた大切な文化のひとつと言えるのではないでしょうか。★週末は好天に恵まれる予報になりました。気温も上昇しそうですね。

「まつえレディースハーフマラソン」

2023.03.23

お彼岸の中日を過ぎて、すっかり春の陽気となっています。各地のソメイヨシノも咲き始めていますね。★春の訪れとともに城下町松江を駆け抜ける「まつえレディースハーフマラソン」が先日、好天の空の下で行われました。新型コロナの影響で中止が続いていたので、今年は4年ぶりの開催となるそうです。ここ数年間は練習の成果を発揮する舞台も制限され、選手の方々は体調維持さえ簡単ではなかったと思います。今年は様々なスポーツが制約から解放されて盛り上がってほしいものです。★人々はいつの時代も、鍛え上げられたアスリート達の競い合う姿に熱狂してきました。不思議なものですね。古代ギリシアに発祥をもつオリンピック競技でもやはり人々は熱狂し、盛大な行事となっていたようです。当初の競技は190メートル程度の距離を走る短距離走だけだったそうですが、紀元前5世紀頃には中距離走、武装競走、レスリングやボクシングなどの格闘技も加わるようになったとされています。ただ、古代のオリンピックは単なる競技ではなく、古代ギリシアの人々が繁栄と幸福を願い、神々の父であるゼウスに捧げる宗教的な祭典だったそうです。また、競技の勝利者には豪華な賞品などはなく、神域に生えるオリーブの若枝で編んだ冠だけであったとされています。それでも人々を熱狂させた英雄たちの栄誉は、神々しく揺るぎないものだったのではないでしょうか。★週末にかけては雲の多い天候になる予報になりました。週明けからはまた日差しが戻りそうですね。

「神徒壇」

2023.03.13

3月に入ると気温も上昇して、すっかり春らしくなりました。お彼岸も近くなり、私たちスタッフは何かと慌ただしい日々を過ごしています。★仏教では一般に「仏壇」を置きますが、神道では画像のような白木で造られた「祖霊舎(それいしゃ)」を置きます。仏壇と形状は似ていますが、お祀りする内容は異なります。「祖霊舎」を置く場合は「神棚」とは別の場所に配置するのが通例で、「神棚」には神宮大麻や氏神神社などの御神札をお祀りし、「祖霊舎」には亡きご家族の御霊代である「霊璽(れいじ)」をお祀りします。丹念に造られた「祖霊舎」は凛とした神聖な空間を感じますね。★神道にもお彼岸はあるのでしょうか?というご質問をいただくことがあります。やはり神道でもお盆やお彼岸の時期にお墓参りをするのが一般的で、特にお彼岸は祖先と自然界に感謝する大切な日とされています。仏教が日本に伝わると、やがて神道と互いに影響し合い「神仏習合」と呼ばれる状態となったとされています。明治時代に入ってからは「神仏分離」の気運が高まり、神様と仏様は別々にお祀りされるようになったようです。ただ、神道と仏教ではお彼岸などの儀礼的行事に違いがあるものの歴史的に融合した部分も多く、ともに暮らしに密着した日本固有の信仰に発展したと考えられています。★今日は雲の多い朝を迎えました。久し振りに気温も低くなっているようですね。