「祈りの仏像」
2022.10.10

10月に入ると一気に秋らしい気候になりました。気温も低くなり松江城周辺の木々も徐々に色づき始めているようです。★行きたいと思いつつも時間が取れなくてなかなか行けなかった「祈りの仏像」展に行ってきました。島根県立美術館で開催されているこの展覧会は、出雲地方に残る飛鳥時代から鎌倉時代にかけて造られた仏像群を同一会場で拝観できる絶好の機会となっています。平安期の地方色豊かな造形をもつ仏像や鎌倉期の端正に彫り上げられた仏像など、数多く展示されており時間が経つのも忘れて見入ってしまいました。遙か1000年も前に造られた仏像が火災や地震、あるいは宗教的な紛争をくぐり抜けて今もなお当時の姿で存在することは、ただそれだけで奇跡的なことだと感じます。人々は何を畏れ、何を喜び、何を悲しみ、何を願い、何を祈ったのでしょうか。僅かな時間でしたが、悠久の時を超えて今も残る仏像群に先人たちの祈りの心を重ねながら鑑賞させていただきました。★いよいよ「松江祭鼕行列」の本番まであと1週間となっています。先週後半からは天候も不安定になり鼕台を出しての練習が思うように出来なかったので、屋内での限られた練習になってしまいました。15日の宵宮、16日の鼕行列では好天になるのを願うばかりですね。
「松江祭・鼕行列」
2022.09.30

ここ数日は天候も穏やかになって秋晴れの日が多くなっています。昨日は日中の気温も上昇していたようですね。★今年も残すところあと3ヶ月となりました。この時期からは収穫祭や感謝祭などの秋祭りで賑やかになりますね。また、松江ではここ数年、新型コロナの影響で中止となっていた「松江祭鼕行列」が復活し開催されます。私たちの住む町内の鼕も今年は参加することになり、日々練習に励んでおります。明日の10月1日(土)にはプレイベントとなる「鼕まつり」が松江城大手前広場で19時より開催され、15日(土)には宵宮(前夜祭)が橋南と橋北の2カ所で行われます。さらに16日(日)には本番となる「松江祭九十周年記念鼕行列」が開催されます。久し振りの参加となりますので本当に楽しみですね。★松江の鼕行列の歴史は平安時代に京都で行われていた「左義長(さぎちょう)」という正月行事に由来するとされています。鼕は町方でお正月の「歳徳神」を祭る「とんど行事」で太鼓を叩いて笛やチャンガラで囃し立てたという歴史が原形になっているとか。松江では大正四年(1915年)大正天皇の御大典の折に各町が屋根付きの鼕台に車輪を付けて、数十町内が行列したのが現在の鼕行列の始まりだそうです。今年は各町内ともに久し振りなので、気合いの入った鼕の響きや笛の音が聞けるのではないでしょうか。★今日も好天に恵まれる予報になりました。いよいよ本格的な秋を迎えようとしていますね。
「秋のお彼岸」
2022.09.20

台風14号は九州を中心に各地に大きな被害をもたらしたようです。引き続き注意が必要になりそうですね。★「日本人は無宗教」と言われることがありますがなぜでしょうか?確かに普段から宗教に深く関わっているという意識で過ごしている人は少ないのかもしれませんね。むしろ普段の暮らしの中に「神道」や「仏教」の要素があまりにも多く浸透しているので、意識することなく過ごしているという気がします。お正月には神社に参拝し、お盆やお彼岸にはお墓参りをします。また、食事の作法や挨拶、儀礼的な行事や祭りなど、多くの人々は宗教的なものと意識せずに関わっているのではないでしょうか。★江戸時代までは「神仏習合」といって日本古来の「神道」と外来の「仏教」とが入り交じった信仰を日本人は持っていたようです。明治時代になると「神仏分離令」により神道と仏教を区別することになりましたが、人々はどちらか一方を選ぶことが難しかったこともあり地域の氏神として神社に参拝する一方で、死者の供養については仏教に頼ることになったようです。日本人が「どの宗教を信じていますか?」という質問に対して一つの宗教を答えにくいというのは、古来からの歴史的背景が影響しているという見方もあります。ただ、ご先祖に対する感謝の気持ちや、道徳観、神様に対する敬虔な信仰心などは連綿と受け継がれており、独自の信仰概念が成立したと考えられています。日本人の信仰心は一つの宗教として括ることはできないかもしれませんが、日本固有の大切な精神文化なのかもしれませんね。★今日は秋のお彼岸の入り。お墓参りをして穏やかな気持ちで過ごしたいと思います。
「二百二十日」
2022.09.10

9月に入ってからは雲に覆われる日が多くなりました。南方海上で発生した台風12号の進路にも注意が必要になりそうですね。★明日は暦の上では「二百二十日」。立春から数えて220日目となります。古くから農家では「八朔(旧暦8月1日)」「二百十日」「二百二十日」は稲が開花する時期と台風などで農作物に被害が発生しやすい時期とが重なることから「三大厄日」として捉えられていたそうです。そのため、古来よりこの時期には風を鎮める祭りが各地の神社で行われたと伝えられています。★普段の生活の中で「二百十日」や「二百二十日」などの言い方を耳にすることは少なくなりましたが、昔は一般的だったのでしょうか。1906年に発表された夏目漱石の中編小説「二百十日」の作中では会話の中に「二百十日の風」という表現が多数登場します。作品は二人の男性が悪天候の中、熊本県の阿蘇山に登るという内容ですが、100年ほど前の人々にとって「二百十日」などの表現は日常的に使われていたのではないかという気がします。気象予報技術の発達した現代では「二百十日」などの表現は馴染みが少なくなりましたが、少し前までは生活の中に浸透している言葉だったのかもしれませんね。★秋のお彼岸まであと10日となりました。気温の変化も大きくなっているので体調管理には留意したいものですね。