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「松江祭鼕行列」

2023.09.30

松江の秋の祭りといえば「鼕行列」。今年も10月の第3日曜日には「松江祭鼕行列」が開催されます。松江ではこの時期になると夕刻過ぎから市内のあちらこちらで鼕を叩く音が聞こえるようになります。私たちの住む町内も昨年に続き今年も参加することになり、大人も子供も一緒になって笛や太鼓、チャンガラなどを鳴らし練習に励んでいます。並べた太鼓を引きながら叩く祭りは全国的にも珍しいそうですね。松江の鼕行列は大正四年(1915年)大正天皇の御大典の折に屋根付きの鼕台に車輪を付けて、数十町内が行列したのが始まりと伝えられています。15日の当日は各町内ともに気合いの入った鼕や笛の音が聞けるのではないでしょうか。★季節はいよいよ秋へと移り、昨日は「十五夜」。旧暦の8月15日、新暦ではお盆をひと月ほど過ぎた頃「中秋の名月」を眺める日として知られています。昨夜は心配された雨雲もなく穏やかな夜空で、多くの方々が鑑賞されたのではないでしょうか。日本では平安時代の貴族の間ですでに「観月の宴」が催されていたようです。今から1000年も前から続いている文化ということになりますね。当時の人々は、空を見上げて月を愛でるのではなく、水面に映る月を眺め、あるいは杯に月を映して秋の夜を楽しんだそうです。なんとも風情のある楽しみ方ですね。★季節の変わり目には気温の変化も大きくなります。体調管理には十分留意したいものですね。

「秋のお彼岸」

2023.09.20

残暑も徐々に和らいで、早朝の風も涼しくなりました。季節はいよいよ初秋ですね。★今日は彼岸の入り。23日が中日で、26日が彼岸明けとなります。お彼岸の行事は、古来より農作が盛んであった日本の太陽信仰(日願)と、仏道修行により悟りの境地である浄土の世界(彼岸)に至るという信仰が合流し定着したものと考えられているようです。現在はご先祖に感謝し、また仏道修行(六波羅蜜)を通して自分自身を見つめ直す期間として捉えられています。江戸時代までは「仏教」ではなく「仏道」と呼ばれていたそうで、「修練」の意味はより大きかったのかもしれませんね。★日本では古くから仏教における「禅」と関連する様々な文化が発展を遂げてきました。「茶道」「華道」「剣道」「弓道」「書道」など根底では仏教と深い関わりを持っています。これらの文化は師匠から学び、厳しい修練を経て高度な技の習得を目指すとされます。ただ、本来の目的は「技の習得」ではなく、技の習得を通して「礼儀」「平常心」「慈悲の心」「忍耐力」「畏敬の念」など人としてあるべき礼節や精神を身につけることであると言われます。一見、非合理とも思えるこれらの文化や価値観は日本固有の大切な精神文化と言えるのかもしれませんね。★慌ただしく時間に追われる毎日ですが、お彼岸にはお墓参りをして自らを省みる時間を持ちたいものです。

「重陽」

2023.09.10

厳しかった猛暑も収って、朝晩はすっかり秋の気配を感じるようになりました。日中、気温が上昇する日もありますが随分過ごしやすくなっていますね。★先日通り掛かった浜佐田地区の田園でも稲刈りが始まっていました。稲穂は十分に実っており、豊かな収穫になるのではないでしょうか。例年、稲刈りの始まる時期と重なるように私たちの工房でも秋のお彼岸前に納入する仕事の仕上げで慌ただしくなります。季節の変わり目なので体調管理に留意しながらお彼岸を迎えたいと思います。★稲刈りの時期と言えば「重陽」の節句。旧暦の9月9日は「重陽(ちょうよう)」と呼ばれ、五節句の一つとして様々な行事が営まれていたそうです。もともと陰陽思想において奇数は「陽」として縁起のいい数と考えられ、その中で最も大きい「九」が重なる9月9日は「陽」が重なることから「重陽」と呼ばれ、特にめでたい日とされたようです。古くは菊の花を飾り、酒に菊の花を浮かべた「菊花酒」を飲むなどして不老長寿を願う節句が執り行われたそうで「菊の節句」とも呼ばれます。平安時代にはすでに「重陽」の節句が伝わっていたとされ、平安貴族を中心に広まったと考えられています。秋の季節に相応しい風情のある行事だったのかもしれませんね。★明日までは雲の多い天候になりそうな予報が出ています。徐々に気温も穏やかになりそうですね。

「仏壇工場見学」

2023.08.30

日中の気温は高く残暑はまだまだ厳しいようですが、早朝には秋の気配を肌で感じるほどになりました。★例年、お盆が明けると私たちは仏壇工場見学のため、国内有数の産地である徳島県に出掛けます。これは秋から来年にかけて展示する新作仏壇や、そのほか仏壇の制作工程を見学するためのもので毎年出掛けるようにしています。今回はコロナ感染症の影響もあり3年間ほど見学を控えておりましたので久し振りの見学となりました。★画像は工場内の原木を必要な寸法にカットする裁断工程エリアで撮影したものです。原木は約1年間の自然乾燥で木材の含水率を15~20%にまで下げ、さらに高温乾燥室で一旦含水率を10%以下に下げるそうです。その後、自然乾燥により時間を掛けて12~13%に戻すと安定した状態となり、ここで始めてお仏壇を造るための裁断工程に入ります。この工場で造られるお仏壇は時間をかけて丁寧に造られるため、大量生産はできませんがその品質は高く評価されています。現場の方は「大切なご先祖さまをお祀りしていただくものなので、精一杯造らせていただいています」と仰っていました。私たちも取り扱うお仏壇の製作工程を直接確認することで、安心してお届けすることができると感じています。★週末にかけても好天に恵まれる予報になりました。周辺の田園では稲穂が豊かに実り始めていますね。