186年前のお位牌
2016.02.02

今日は冷たい雨になりましたね。山沿いでは雪も降っているのでしょうか。★戒名が読み取れないほど歳月を経たお位牌をお預かりすることもあります。記録がない場合は現物が頼りですね。漆戒名が読み取れない部分はソーダで洗いますが、それでも判読できない時は呂色磨きの技術を応用します。ご依頼者様のご了解を頂いて掲載いたしましたが、これは186年前に作られたお位牌であることが分かりました。金箔は部分的に剥落していますが木地と漆は驚くほどしっかりしています。油煙などは何代にもわたり大切に供養された証ですね。丁寧にご先祖位牌にまとめさせて頂きます。★いよいよ立春も近くなり明日は節分です、暖かい春が待ち遠しいですね。
お供えの花はなぜこちら向き?
2016.02.01

松江は肌寒い雨模様になりました。夜も冷え込む予報になりましたね。★仏様にお供えするお花を「仏花」といいますが、お供えの向きには向上相(仏様向きに供える)、向中相(八方向きに供える)、向下相(こちら向きに供える)の3つの方法があります。仏様へのお供えなら仏様へ向けるのが自然ですよね。ただ、お花はお供えするという意味と、お花をお供えする者の心も清めるという働きがあるとされています。供養する者に「この花のように清らかで美しい心の花を咲かせなさい」という仏様からのご慈悲であるということからこちら向きだそうです。さらに、供養する者の心を穏やかにし、仏道修行に励む心を助けその心を養い育てるともいわれます。今から約1100年前に第59代、宇多天皇が「仏事にあっては向下相を用ゆべし」と勅令されてからはこちら向きにお供えするようになったと伝えられています。★明日は雪になるのでしょうか、インフルエンザにも気を付けたいですね。
馬は神仏の乗りもの?
2016.01.30

今日の松江は比較的穏やかな天気で、昼前には雲の合間から日が差してきました。★今は神社の境内に奉納絵馬がたくさん吊られる受験シーズンです。そもそも絵馬は個人祈願の「小絵馬」と雨乞いや豊作祈願などの「大絵馬」があるそうで、その起源は奈良時代にまで遡るということです。日本では古くから馬は神様の乗りものとして考えられ、実際に本物の馬を神社に奉納する習慣もあったようです。さらに馬は仏様の乗りものとしてお盆にキュウリや藁で作った馬を盆棚にお供えする習慣も残っており、馬は神秘性の高い生き物とされてきました。現在は馬を神社に奉納することはできませんが、祈願成就のため本物の馬に代わって絵馬が奉納されるようになっています。★週明けから2月、少しずつ春めいてくるのでしょうか。受験生の皆さんにとっても早く春の便りが欲しいところですね。
松江は雨になりました
2016.01.29

雨模様ですがそれほど寒さは感じませんね、少しだけ春に近づいたのでしょうか。★先日加工した蒔絵筆の漆がほぼ乾きました。余分な糸を切り落として細部を研磨して完成です。腰が強く粘りのある穂先が使用してあるので色々な書体に対応できますね。数十年前に作られたお位牌の戒名書きも例外なく蒔絵筆を使って書いてありますので、追加で戒名を書き入れる場合も筆運びを合わせることでほとんど同じ書体を再現することができます。漆で文字を書く場合は薄く引き伸ばすように書くと均一になり、表面の縮みも防げます。★節分の頃にはまた寒さが厳しくなる予報が出ていますが、少しずつ春に近づいている気配を感じますね。