header

blog

「鑑真(がんじん)」

2019.06.15

今日の松江は朝から雨模様になりました。松江城周辺の木々も初夏を思わせるような若葉色になってきましたね。★この季節になると芭蕉の句を思い出します。「若葉して御目の雫ぬぐはばや」(この柔らかい若葉で鑑真和上の盲目になった目の涙をそっと拭ってさしあげたい/芭蕉) 鑑真は日本に本格的な戒律をもたらした律宗の宗祖として知られています。揚州江陽県の生まれで14歳で出家、21歳の時に長安で弘景律師に師事し、律宗と天台学を学んでいます。鑑真は大仏造営、寺院創建などを務めるかたわらで4万人以上の人々に授戒を行ったと言われています。奈良時代、授戒制度の整っていなかった日本から栄叡、普照の二人の僧が鑑真のもとを訪れ、戒律を日本に伝えるよう懇願しました。鑑真の日本への渡航は困難を極め幾度も失敗に終わっていますが、天平勝宝5年(753年)に6度目の渡航でついに日本上陸を果たしています。この時、鑑真は66歳。途中で栄叡は亡くなり、鑑真も度重なる苦難や疲労により両目を失明しました。しかし鑑真は東大寺大仏殿に戒壇を築き、上皇から僧尼まで400余名に戒を授けたと言われています。のちに唐招提寺を創建しますが、天平宝字7年(763年)に76歳で遷化。冒頭の句は貞享5年(1688年)、若葉の頃に芭蕉が鑑真和上を偲んで詠んだと言われています。★明日も不安定な天気になりそうです。梅雨のような天候になりましたね。

「芒種」

2019.06.06

今日の松江は爽やかな朝を迎えました。昨日は全国各地で最高気温が30度を超えていたそうですが、今日も暑い一日になりそうですね。★暦の上では「芒種(ぼうしゅ)」を迎えました。芒種は二十四節気の一つで、暦便覧には「芒(のぎ)のある穀類、稼種する時なり」と記されています。「芒」とは稲などの穂先の針のような突起物を指すそうです。古くから「芒」のある穀物の種を蒔く(植える)時期とされていたようですが、「芒」のあるイネ科の植物の種子が成熟して実る頃だとする見方もあるそうです。現在では「梅雨入りの頃」というイメージが強いですね。★6月になると私たちはお盆の準備のお手伝いを始めることになります。また、お盆のお供え方法についてのご質問を頂くようになるのもこの時期ですね。特に初めてお盆を迎えるお宅では分からないことも多いと思いますので丁寧にご説明させていただいています。また、当店では【お盆百科】(全40ページ)という冊子をご準備しています。「施餓鬼とはなに?」「盆棚のお供えはどうするの?」「マンションでの迎え火・送り火はどうするの?」など、お盆の疑問を分かりやすく説明してあり、読みやすい内容になっています。店頭に置いてありますのでどうぞご自由にお持ち帰りください。★松江では明日から雨になりそうな予報ですね。梅雨入りも近いのでしょうか。

「ホーランエンヤ・還御祭」

2019.05.26

今日の松江は夏を思わせるような天気で、日中の気温は30度を超える予報になりましたね。★今日はホーランエンヤの「還御祭」で神事の最終日となります。先日の「渡御祭」の日はそれほど風が強くなかったように思いましたが、阿太加夜神社に向う途中、大橋川から中海に出ると波は高く、強風で思うように船は前に進まなかったそうです。今日の「還御祭」は風も穏やかで好天にも恵まれ、大橋川沿いには多くの方々がお出かけでした。ホーランエンヤでは何と言っても五大地の櫂伝馬船による「櫂伝馬踊り」が見どころで、とりわけ船首に陣取る歌舞伎役者風の「剣櫂(けんがい)」と後部で舞う「采振(さいふり)」の踊りに目を奪われます。画像は「矢田地区」の櫂伝馬船ですが、樽の上で友禅を身にまとい色鮮やかな采を持って踊る女形の「采振」は15歳と16歳の少年が担当しているそうです。おそらく沢山の練習を積んで迎えたホーランエンヤだとは思いますが、10代半ばの少年にとって多くの観衆の前で踊る心理的な負担は想像を超えるものだと思います。その艶やかで見事な舞いに感動しました。370年もの歴史をもつ神事だそうですが、ホーランエンヤは10年に一度の開催だからこそ伝承が難しいと言われます。松江の大切な伝統行事の伝承者として後世に伝えて頂きたいものですね。★朝晩は涼しい風が吹きますが、日中は徐々に夏らしさを感じる日が多くなってきました。

「ホーランエンヤ・渡御祭」

2019.05.18

今日の松江は雲の多い朝となりました。九州や四国では不安定な天気になっているようですね。★松江では今日から9日間の予定で日本三大船神事のひとつに数えられる「ホーランエンヤ」が幕を開けました。10年に一度の神事ということで、大橋川周辺を中心に多くの人々で賑わいます。ホーランエンヤは慶安元年(1648年)の凶作により五穀豊穣を祈って城山稲荷神社(殿町)の御神体を阿太加夜神社(東出雲町出雲郷)に渡御したことに始まるとされる歴史のある神事で、大衆の信仰に支えられて大切に受け継がれてきたそうです。私が初めてホーランエンヤを見たのは小学生の時でしたが、大橋川で見る華やかで豪華な船行列の迫力に圧倒されたことを今でも鮮明に覚えています。特に櫂伝馬船に乗り込んだ「剣櫂」や「采振」の舞は見事で、私たち観衆の目をひきつけます。今日の「渡御祭」では城山稲荷神社(殿町)の神霊を載せた神輿が陸路を経て、大橋北詰から「御座船」に乗り大橋川、中海、意宇川を経由して10キロ先の阿太加夜神社まで運ばれます。陸路の途中では殿町も通過しますので、私も付近で撮影させて頂きました。静かに歩む行列の姿は厳かで歴史を感じますね。26日の「還御祭」には大橋川まで出掛けてみようと思います。★来週は「小満」を迎えて、いよいよ衣替えの準備の季節になりますね。