「梵字」
2023.02.20
暦の節は立春から「雨水」へと変わりました。雨水の頃には雪が雨に変わり、雪が溶け始める頃とされています。実際にはまだまだ寒さの厳しい日もありますが、それでも3月の「啓蟄」にかけて徐々に寒さは和らぎそうです。★「雨水」の時期はお彼岸の1ヶ月前に当たることから、私たちの工房も徐々に慌ただしくなります。特に過去帳やお位牌の戒名入れについて忙しくなるのもこの頃からでしょうか。画像は戒名入れに欠かすことのできない「梵字」。真言宗や天台宗、あるいは浄土宗などの戒名入れにはこの梵字を用いる場合があります。日常ではあまり見かけることのない文字ですが「梵字」とは一体何でしょうか? 一般には日本や中国などの漢字文化圏でのサンスクリット語の呼び方が「梵語」でその文字が「梵字」とされています。また、日本で用いられる梵字は仏教と深い関わりが深く、「悉曇(しったん)文字」とも呼ばれます。空海らが大陸から帰った経典類の中に、この悉曇文字で書かれたものが含まれていたこともあり主流の梵字となったようです。また、梵字は一文字で神仏を表すとされ、お位牌などには宗派の本尊などを表す梵字を上部に記す形で用いられます。随分と昔のことですが、師匠から梵字や戒名の彫刻は「仏さまを彫らせていただくという気持ちで精進しなければならない」と厳しく教えられました。懐かしいですね。★今日は雲の多い朝を迎えました。それほど寒さも感じない一日になりそうです。