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スタッフブログ

「芒箔」

2022.06.10

夏も近くなり、徐々に日差しが強くなってきました。店舗ではこれまで夏の日除けとして昇降式のテントを使用していましたが、歩道を歩く方の迷惑になるので新たに暖簾(のれん)を作っていただきました。この時期からは暑さ対策とともに日差しの対策も必要になりそうですね。★暦の上では「芒種(ぼうしゅ)」を迎えました。あまり馴染みのない言葉ですが、「芒」(のぎ、ぼう)はイネ科の植物の先端の尖った部分のことで、「芒種」は稲や麦などの種を蒔く頃という意味だそうです。実際には田植えが終わる時期になるようで、農家の人々にとってはこの頃から秋の収穫の季節まで作物には目が離せなくなりますね。★「芒(のぎ)」は稲や麦の先端の突起という意味のほかに「細く切った金箔」という意味があります。これは「芒箔(のげはく)」などと呼ばれ、装飾経や絵巻の詞書(ことばがき)の下絵、装丁の装飾などに用いられます。実は、仏像製作でも同様の金箔を装飾工程で使用します。髪の毛ほどの細さに裁断した金箔を1本1本丁寧に仏像に貼り付けて装飾する技法で「截金(きりかね)細工」と呼ばれます。たしかに、秋の実りの時期の稲穂の先端の部分と「芒箔」の色形は似ているかもしれませんね。★一頃の厳しい暑さは和らいで過ごしやすい日が続いています。山陰では適度な雨も降り、草木にとっては恵みの雨になったようです。