「蓮華座仮組み」
2022.05.30
ここ数日は松江でも夏のような気温になっています。まだ5月も終わっていないというのに各地で猛暑となっているようですね。★仏像を修理する場合は最初に木地(構造体)を完成させます。元の状態を保持するのが基本で、傷みのある部分もできるだけ本来の状態を維持するよう補修します。欠損のある部位は作り直すことになりますが、その場合でも元の状態をイメージして再現するよう心掛けます。実はここが一番難しく、思案する部分となりますね。今回は蓮華座の部分が欠損していましたので、この木地を最初に作りました。厨子にきちんと納まること、全体の均整が取れていることなどを考慮して作ります。画像は蓮華を仮組みした状態のもので、ここから何度も分解と仮組みを繰り返して形を整えます。★観音菩薩は「観音経」や「般若心経」などに登場する大慈大悲の菩薩として知られていますね。日本では7世紀頃から国家鎮護や民衆の現世利益、浄土信仰など、幅広い願いを受け入れて作られるようになったようです。観世音菩薩普門品には三十三の姿に身を変えて衆生のあらゆる苦難を救う菩薩(観音三十三身)と説かれており、古くから庶民の間にも浸透した仏さまの一つと考えられています。★母里佛具店では第1・第3日曜日が定休日となっていますが、6月からお盆までは無休となります。ご予約、納品も対応させて頂いておりますので宜しくお願いいたします。