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スタッフブログ

「宮殿」

2022.03.01

厳しかった冬も峠を越えて、いよいよ春の入り口に差し掛かっているようです。今週末は「啓蟄」。気温も徐々に上昇して虫たちも活動の準備を始める頃ですね。★松江仏壇の修復は「塗り」の行程を終えて、最後の「組立て」の行程に入りました。独特な構造を持つ複雑な「宮殿」の修復にやや時間が掛かりましたが、全体的には木地の傷みも少なく、作業は順調に進んだように感じています。このあと欄間(らんま)と背板を組み上げ、最後に障子と扉を取り付けて完成です。今回は住居のご新築に合せてお仏壇も修復されることになりお預かりしたもので、何とか住居の完成に間に合わせることができて安堵しています。これからも長い歳月にわたりご先祖様を安心してお祀りいただけるよう、最後まで丁寧に組み上げたいと思います。(画像はご依頼者様にご了解を頂き掲載しています)★お仏壇の内陣上部には多くの場合、画像のような屋根型の「宮殿」が設けてあります。宮殿は「浄土の楼閣」を具現化しているとされ、一般には「須弥壇」の上に設置されます。「須弥壇」とは仏殿内で仏像などを安置するために設けた高い台のことで、古代インドを起源とする世界観の中心にそびえる聖なる山、「須弥山(しゅみせん)」に由来すると伝えられています。★明日までは雲の多い天候になりそうですが、週の後半には晴れ間も見える予報になっていますね。