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スタッフブログ

「錺(かざり)金具」

2022.02.10

今日の松江は雲の多い朝を迎えています。気温はそれほど下がらないようなので雪の心配はなさそうですね。★塗り仏壇の修復は折り返しを過ぎました。お預かりした仏壇は「松江仏壇」の特徴でもある「塗り宮殿」が組まれており、それを支える6本の宮殿柱には職人の手打ちによる「錺(かざり)金具」が施されていました。先週までに刷毛塗りで仕上げておいた宮殿柱が十分に乾いたので、メッキ再生処理を済ませた錺金具を取り付けます。これらの金具の多くは唐草や菊、蓮などの文様が描かれ、柱を巻くように取り付けてあります。それぞれの金具は浮き上がりが出ないように角度を合せ、慎重に打ち付けて柱部分は完成となります。修復することを前提に造られたお仏壇ですので説明書などはありませんが、分解から組み立てまでの手順は分かりやすく出来ています。制作当時に込められた職人のメッセージが伝わってくるようですね。★現在の寺院建築や仏壇の金具は伝統的な手打ち金具のほか、プレス機械を使って製造されるものやNC加工機などにより製造されるものも用いられます。素材は銅、真鍮が主流ですが、近年はアルミなどの金属素材も使われるようになっています。(画像はご依頼者様にご了解を頂き掲載しています)★週明けからはまた不安定な天候になる予報が出ています。松江城椿谷の梅の花がほころぶまではもう暫くかかりそうですね。