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スタッフブログ

「無功徳」

2021.09.25

朝晩には秋の風を感じるようになりました。日中の気温も穏やかになってすっかり過ごしやすくなりましたね。★禅宗の祖である達磨大師は6世紀初頭にインドから中国へ禅を伝えたことで知られています。やがて禅宗は中国で大きく発展し、達磨大師の伝説は現在でも禅宗の大切な教えとなっています。当時、梁(中国)の王であった武帝は仏法に深く帰依し、インドから渡った達磨を喜んで迎え入れました。ある日、武帝は金陵(現在の南京)の宮中に達磨を招いて尋ねます。「私はこれまで多くの寺を建立し、経文を写し、多くの僧侶を育ててきた。私には将来どれだけの功徳がもたらされるだろうか?」と。武帝はさぞかし褒め称えられ、多くの功徳が得られるとの返答を期待したのでしょう。しかし、達磨は「無功徳(むくどく)」と言い放ちます。武帝の善行は世俗の成果を求めている行いに過ぎない。目先の見返りを求めた善行に何の功徳があろうか。武帝にとっては意に反する返答になったようですが、達磨は武帝の心の中にある執着を捨てさせるため、あえて厳しい言葉をかけたとも言われています。★来週の前半までは比較的穏やかな天候になりそうですが、週の後半には台風16号が接近する予報になっています。地域によっては注意が必要になるかも知れませんね。