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スタッフブログ

「盆提灯の組み立てに挑戦⑤」

2021.07.29

火種の油が大変貴重であった時代から「灯明」は大切なお供えとして定着したようです。仏教においては闇(無明)を照らす智慧の灯とされ、重要な供養と考えられています。お盆に用いる提灯もご先祖をお迎えする際の灯明で、すでに鎌倉時代には京都で精霊迎えとして「高灯籠」が用いられていたという記録が残されています(明月記)。現在ではお盆の形態は地域や宗派ごとに特色がありますが、ご先祖や故人を想う気持ちは連綿と受け継がれているような気がしますね。★提灯の組み立ては最終段階となります。台座に「火袋」をかぶせて3カ所の「輪止め」を回して止めたら「電球」を取り付けます。さらに「上柱」の上端に「雲手」を取り付け、火袋をゆっくりと持ち上げて「紐かけ金具」に紐を掛けて完成となります。最後に「火袋の絵柄(または家紋)」が正面を向くように調整します。この時に「火袋」の正面中央のつなぎ目と前側の「下足」の位置が揃っていることを確認します。今回は一般的な大内提灯の組み立てをご紹介しましたが、それぞれ提灯ごとに組み立て方法が異なる部分もありますので付属の「組立説明書」を参考にします。また、盆明けに提灯を収納する際には「火袋」の虫食い予防のため提灯用の「防虫剤」を入れておかれることをおすすめしています。