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スタッフブログ

「雪裡梅花只一枝」

2021.03.15

いよいよ春のお彼岸を迎えて気候も穏やかになり、日増しに春らしさを感じるようになりました。松江城の椿谷では2月中旬からこの時期にかけて多くの梅が咲き誇り、独特の甘い香りを漂わせます。先日は僅かな時間でしたが眺めることができました。★「道元禅師」の師匠である「如浄禅師」は厳しい寒さの中で修行する弟子たちに「雪裡梅花只一枝(せつりのばいかただいっし)」という詩を送ったと伝えられています。これは冬の厳しい寒さの中で雪に埋もれながらも力強く咲く梅の姿を詠まれたもので、人の歩みもまた厳しい苦難を乗り越えてこそ真理にたどり着けるとし、そこにはかけがえのない価値があるとしました。慌ただしい日常生活の中では仏道世界の修行の厳しさなど想像することさえ出来ませんが、せめてお彼岸の時期だけでも穏やかな心で普段の行いを省みたいものです。★実はお彼岸はご先祖を敬うとともに、六波羅蜜(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)を実践する期間とされています。仏道では「因果の道理」が根本にあり、この六波羅蜜は特に大切な修行徳目とされているそうです。言葉にすると難しそうですが、案外私たちの日常生活の中でも実践できる修行と言えるかも知れませんね。★今日は全国的に気温も上昇して春らしい穏やかな天気になる予報になりました。