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スタッフブログ

「経机」

2020.10.05

今日の松江は雲の多い朝を迎えました。時折小雨も降っているようですが、日中には回復する予報になりました。★朝夕には涼しい風も吹いて、日増しに秋の深まりを感じるようになりました。先週からは穏やかな天気が続いていたこともあり、10月1日の「十五夜」には夜空に明るく澄んだ月を眺めることができました。「お月見」は平安時代に中国から伝わった文化で、当時は貴族たちが水面や盃に映った月を眺めて詩歌を詠んだとか。このお月見が庶民の間に広まったのは江戸時代からだそうで、のちに月見団子などをお供えして収穫に感謝し、翌年の豊作を祈る行事として定着したようです。秋の季節にふさわしい日本らしい風情ですね。★秋風が吹くようになってからは工房での作業も窓を開け放って進めています。画像は黒塗り経机の修理中のものです。永年の間の傷みが目立つようになり、修理でお預かりしました。経机は経本や経典を載せる机のことを言いますが、在家では香炉やおリンを置いて用いることもあります。鳩摩羅什(344年~413年)の訳した旧訳の「仁王般若波羅蜜経」には「七宝の案(机)を作って、経をもって上に置き・・」という記述があることから「経机」は4世紀頃には大切な仏具として扱われていたと考えられています。★今週は秋晴れの日も多く、穏やかな一週間になりそうです。/昼前のニュースで台風14号発生の報道がありました。週末は注意が必要になるかもしれませんね。