「蒲生氏郷と会津漆器」
2018.06.21
今日は夏至、一年で最も昼の長い時期になります。梅雨でもあり分かりにくく感じますが、それでも朝5時にはすっかり明るくなっていますね。★漆器といえば石川県の「輪島塗」や福井県の「越前塗」などが知られていますが、私たちが取り扱う仏具としては福島県の「会津塗」が有名です。普段の生活の中では漆器に触れる機会も少なくなりましたので馴染みが薄いかもしれませんね。会津漆器の始まりは16世紀、安土桃山時代にまで遡るそうです。近江国(現滋賀県)、日野城主の子として生まれた「蒲生氏郷(がもううじさと)」は織田信長、豊臣秀吉らに仕え、数々の戦の功績により会津42万石(後に91万石)が与えられます。氏郷は会津の地に郷里の日野から木地職人や塗師職人を招き漆器産業の基礎を築きました。これが現在の「会津漆器」の始まりといわれています。江戸時代には会津藩主が漆器産業を保護したことから国内有数の漆器の産地に成長しました。また氏郷は勇敢な武将であると同時に和歌や茶道にも理解のある文化人であったといわれています。氏郷は「限りあれば 吹かねど花は 散るものを 心短き 春の山風」と詠んでいます。花の一生には限りがあるのだから風など吹かなくても花は散るのに、どうしてせわしなく春の山風は吹くのだろうか。勇敢な戦国武将は病に伏し四十歳の若さで他界しています。★今日、明日は好天に恵まれそうですが、週末からはまた不安定な天気になる予報になりましたね。