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スタッフブログ

回出位牌修理②

2018.02.28

ここ数日は春を思わせる穏やかな天気が続き、松江城周辺の草花も芽吹き始めているようです。少しずつ春の訪れを感じるようになりましたね。★いよいよ回出位牌の修理も大詰めを迎えています。画像はお位牌に金箔を施す前の状態で、一般的に修理の終盤はこのような黒い色の状態になります。今回は金色塗装を落とす作業から始めましたが、ラッカー系の塗料でも固着しているものは簡単に落とせませんので「アセトン」を使用して剥離させます。ただ、「アセトン」は下に塗られている漆そのものを侵食する場合がありますので、丁寧に時間を掛けて取り除きます。その後、傷みのある部分に下地処理を施して滑らかにしました。漆は金箔を押すことを前提にしていますので「箔下漆」と呼ばれる漆を使用します。金箔の輝きに落ち着きを持たせるため「艶消し漆」を混合して下塗りの段階で塗り艶を抑えました。刷毛塗りで仕上げますので仕上げ塗りでは「消し筋」や「刷毛目」が残らないように細心の注意を払います。このあと、十分に乾燥させてから金箔を押して完成です。★今日は雲の多い天気になりそうですが、気温は15度まで上昇する予報になりました。まだ寒い日もありますが「三寒四温」の言葉が当てはまる気候になっていますね。