「松江祭鼕行列」
2025.10.20

今日の松江は昼前から小雨模様となりました。朝夕は冷え込み、一段と秋の深まりを感じるようになっていますね。★10月19日(日)には予定通り「松江祭鼕行列」が開催されました。プレイベントの「鼕まつり」も「宵宮」も雨で中止となっていましたので、鼕行列の当日に雨が上がったのは何よりでしたね。松江城大手前に集合した鼕宮は17台。松江城大手前から橋北の街を通り、松江大橋を渡って白潟天満宮までを練り歩く華やかな姿に沿道の人々は惜しみない拍手を送っていました。★私たちの場所からは運良く参加するほとんどの鼕の演舞を間近で眺めることができました。宮大工により伝統的な技法で組立てられた屋根を持つ鼕宮と鼕太鼓、そして町内ごとに受け継がれる鼕の響きと笛の音、それにチャンガラと子供達の掛け声が加わり、それらが融合して生み出される光景には感動します。松江市民にとっては大切な伝統行事のひとつになっていますね。★全国的には少子高齢化や人口の減少の影響で祭りの担い手不足から、伝統的な祭りでも継承すること自体が難しい時代となったとされています。それでも勇敢に取り組み、強い気持ちで乗り越えて受け継ぐ人々は地域の宝と言えるのではないでしょうか。★今週も肌寒さを感じる日が多くなりそうです。週の後半には晴れ間も見える予報になっていますね。
「十夜法要」
2025.10.10

暦の上では「寒露」。日中は過ごしやすく夜は空気も澄んで月や星などを鑑賞するには良い時期となりました。「十五夜」の日に感謝の気持ちを込めて月見団子をお供えし、月を愛でるという風習もやはり気候のいい秋ならではの風情ですね。★古来より月を鑑賞する風習は日本にもあったとされていますが、十五夜の「お月見」が広まったのは平安時代になってからだそうです。中国から伝わった風習が平安貴族を中心に「月見の宴」などとして行われるようになり、江戸時代には一般庶民にまで広まったようです。この時期は稲の収穫期と重なることから「お月見」も次第に収穫に対する感謝の意味合いを持つようになったと言われていますね。★仏教でも過ごしやすい秋には各地で法会が執り行われます。浄土宗では旧暦の10月5日から15日の間の時期に、阿弥陀如来に対し感謝の念仏を唱える「十夜法要」が営まれます。これは1495年(明応4年)鎌倉光明寺の9世・観誉祐崇が宮中で阿弥陀経の講義を行ったことに由来すると伝えられています。法要では収穫期でもあることから、大自然に感謝を捧げる意味で仏前に新米や新米で作ったおはぎ、赤飯などもお供えするそうです。★宗旨を問わず様々な行事が行われるいい季節となりましたが、どの行事にも収穫に対する感謝の気持ちが込められているようですね。
「秋祭り」
2025.09.30

秋のお彼岸を迎えてからは日中の暑さも和らぎ、朝晩には涼しい風も吹くようになりました。過ごしやすい季節の到来ですね。★この時期になると収穫祭や感謝祭などの秋祭りで賑やかになります。私たちの住む松江でも10月には恒例行事となる「松江祭鼕行列」が執り行われます。10月4日(土)にはプレイベントとなる「鼕まつり」が松江城大手前広場で開催され、18日(土)には「宵宮」と呼ばれる前夜祭が橋南と橋北の2カ所で行われます。さらに翌日の19日(日)には本番となる「松江祭鼕行列」が盛大に開催されます。普段は静かな町ですが、この日ばかりは賑やかな一日となりますね。★日本は祭りの多い国として知られており、大小含めると30万にものぼる数の祭りが年間を通して開催されているそうです。農耕民族として生きてきた日本人は「祭り」という儀式を通して大自然の恵みに感謝してきた歴史があり、万物に神が宿る「八百万の神」という考え方も、人々が多くの「祭り」を受け継ぎ大切にしてきた理由であったと考えられています。江戸時代中期頃の人口の約8割が農家であったことを考えると、各地で地域色豊かな祭りが発達したのは自然なことだったのかもしれませんね。★今週は比較的穏やかな天候になる予報が出ています。祭りの当日も好天に恵まれると良いですね。
「忍性」
2025.09.20

今日は秋のお彼岸入り。日中の暑さも和らいで、秋の訪れを感じる気候になりましたね。★仏教に関する書物には「慈悲」という言葉が頻繁に登場します。言葉としては理解しているつもりですが、どのような意味なのでしょうか? 仏教における「慈」は他者に安楽を与えたいと願う心、「悲」は他者の苦しみや困難から解放されることを願う心という意味になるそうです。お釈迦様は生涯を通してこの「慈悲」の心を持ち続け、その重要性を説かれたと伝えられています。★鎌倉時代に生きた「良観房忍性」は真言律宗の僧侶で、大変に慈悲深い方だったことで知られています。ハンセン病などの重病者を保護する施設の「北山十八間戸」を造り、多くの人々を救済しました。忍性は手足が不自由で数日間も食事をとれない患者を明け方に奈良坂まで迎えに行き、自ら背負って奈良の市中の乞場まで連れて行き、夕方には送ったとされ、これが休みなしに数年間も続いたそうです。また、非人の救済、捨子の養育、療養所の設置をはじめ、寺院の造営や橋、道などを造り困っている人々のために生涯にわたり尽くしたとされています。★お彼岸は御先祖に感謝するとともに「見返りを求めない施し(布施)」などの「六波羅蜜」を実践する期間とも言われます。気忙しい日常の中ではなかなか思うように行きませんが、日頃から少しだけでも心掛けたいものです。