「夏祭り」
2025.07.30

松江では雨の気配もないまま連日のように猛暑となっています。水分補給は欠かせなくなっていますね。★7月下旬の「大暑」を迎えると松江でも地域の祭りや伝統的な行事などで賑わい始めます。7月24日、25日に行われた「松江天神祭り」では多くの露店が並び、神輿も勇壮な練りを繰り広げていました。今週末の8月2日、3日には宍道湖で「湖上花火大会」が開催され、松江の夏は最高潮を迎えます。子供の頃に父に連れられて初めて出掛けた「天神祭り」などは日常を離れた異次元空間のようで衝撃的でした。今でもその時の場面を鮮明に記憶しているのは不思議なものですね。★また、8月16日には夕刻から大橋川周辺で松江仏教会主催の「灯籠流し」が行われます。例年、多くの方々がお出掛けになり、流れ行く灯籠を見送られます。水面を流れる灯籠の姿は幻想的なもので、松江の風情のひとつになっているような気がします。また、白潟公園東側付近では「盆飾りの供物回収と供養」も行われます。地域の祭りや伝統行事などは子供にとっては貴重な体験ですね。その思い出は生まれた故郷を離れて暮らす人々にとっても大切な宝物になっているのではないでしょうか。★週末にかけても気温は上昇する予報になりました。多くの地域で水不足も心配されているようですね。
「胡瓜」
2025.07.20

山陰でも連日のように日中の気温は上昇して厳しい暑さとなっています。屋内でも熱中症対策が必要になりそうですね。★暦では「土用の丑の日」を迎えました。これは「土用」の期間に迎える「丑の日」のことで、夏の暑さに対する滋養強壮としてウナギを食べる習慣があることで知られています。この習慣は江戸時代後期から始まったと伝えられていますが、ウナギのほか「う」の付くものを食べる習慣もあったようです。体の熱を下げる効果のある「キュウリ(胡瓜)」や「すいか(西瓜)」などの瓜(うり)、あるいは夏場でも食べやすく消化の良い「うどん」なども好まれたようです。暑い夏を乗り切るための先人達の生活の知恵だったのかもしれませんね。★また、土用の丑の日の時期には「弘法大師」がキュウリ(胡瓜)に疫病を封じ込めて病気平癒を祈願したことに由来する「胡瓜封じ」あるいは「きゅうり加持」と呼ばれる祈祷儀式が各地で行われます。これは夏野菜の「キュウリ」に病魔を封じ込め、暑い夏を乗り切ろうとする大陸の庶民信仰に起源があるとされています。和紙や草木で作った人形に穢れを移し、川や海に流して無病息災を願う「流し雛」などの民俗行事と似ているのは興味深いですね。★強い日差しの中でも逞しく育つ「胡瓜」の強い生命力にあやかって、元気にこの夏を乗り切りたいものです。
「お盆百科」
2025.07.10

暦の上では「小暑」を迎えました。江戸時代の「暦便覧」には「大暑来れる前なればなり」と記されており「徐々に暑さが増していく頃」とされます。今年は6月下旬の梅雨明けと同時に連日のように真夏日を記録しており、随分早く本格的な夏が到来したような印象ですね。★いよいよお盆まであと1か月余りとなり、私たちもお盆の準備のお手伝いで慌ただしくなってきました。例年、この時期になるとお盆のお供え方法についてのご質問を頂くようになります。特に初めてお盆を迎えるお宅では分からないことも多いと思いますので丁寧にご説明させていただいています。また、お盆について分かりやすく解説した冊子「お盆百科」(40ページ)もご準備しています。「盆提灯はいつから飾るの?」「盆飾りの牛と馬の意味は?」「迎え火・送り火ってなに?」などお盆の疑問を分かりやすく説明してあり、読みやすい内容になっています。店頭に置いてありますのでご自由にお持ち帰りください。また、盆棚の飾り方や、盆提灯の組立て方法などについて分からないことがあればお気軽にご相談下さい。★今週末も気温が上昇する予報になっているようです。水分補給を心掛けて体調管理に留意しなければなりませんね。
「茅の輪くぐり」
2025.06.30

早いもので令和7年も折り返しを迎えました。山陰地方では早くも梅雨が明けて夏本番ですね。★この時期になると全国の神社では「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」という神事が執り行われます。一年の前半を無事で過ごせたことに感謝するとともに、半年間の罪や穢れを祓い清め、残りの半年も無事で過ごせるよう願う神事とされています。現在は画像のような「茅の輪(ちのわ)」と呼ばれる輪をくぐり抜けてお祓いをする行事として知られていますね。(画像は阿羅波比神社)★神社に設けられる「茅の輪」は大きなものですが、もともとは腰に付けるほどの小さなものだったようです。奈良時代初期に編纂された「備後国風土記」にも「蘇民将来(そみんしょうらい)」の娘が「茅の輪」を腰につけ災厄から免れたという話が記されているそうです。「茅」は古くから神聖なもの、あるいは魔除けとしての呪力を持っているとも言われ、これが時代を経てやがて大きな「茅の輪」となり神社の鳥居などに取り付けられるようになったとされています。普段意識することはありませんが、日々の暮らしに浸透した文化そのものが日本固有の精神と信仰の姿を表しているように感じることがありますね。★来週にかけて気温も上昇する予報になりました。しっかり体調を整えて暑い夏を乗り切りたいものですね。