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「神在祭」

2025.11.20

一昨日からは気温も下がり師走のような天候になっています。今日も肌寒い一日になりそうですね。★10月は「神無月」と呼ばれますが、全国から神々が集まるとされる出雲地方では「神在月」と呼んでいます。出雲地方に住む私たちにとっては「神在月」という呼び方も馴染みがありますね。でもいつ頃からこのように呼ばれるようになったのでしょうか? 奈良時代の「古事記」や「日本書紀」などには明確な記載は見られないものの、平安時代に藤原清輔が著した「奥義抄(おうぎしょう)」には全国の神々が出雲に集まるため10月を「神無月」と呼ぶ、と記されているそうです。ここから神々が集まる出雲地方では「神在月」という呼び方が生まれたのではないかという見方があるようです。★旧暦の10月となるこの時期には松江市鹿島町にある佐太神社で「神在祭」と呼ばれる例祭が執り行われます。佐太神社の「神在祭」は極めて古くから執り行われている神事で、現在の祭りの次第も古式に従って約500年前の記録とほぼ同じ内容で行われているそうです。11月20日に「神迎神事」、23日に「新嘗祭」、25日に「神等去出神事」が斎行され、23日の「新嘗祭」はその年の収穫に感謝して新穀を神前にお供えし、来年の豊穣を願う行事とされています。★「神在」。何気なく使う言葉にも人々の願いや祈りの気持ちが込められているように感じることがありますね。

「京都・銀閣寺」

2025.11.10

今日の松江は肌寒い朝を迎えました。堀端の木々も徐々に秋の色に変わり始めていますね。★私たちはこの時期になると京都で開催される仏壇、仏具の展示会に出掛けます。仏壇やお位牌をはじめ仏具、念珠、仏像、金襴、掛軸、お線香など多くのメーカーが出品するので欠かせない展示会となっています。今回も新たな仏具の展示がありましたので、時間を掛けて見学させていただきました。★また、展示会のあとは僅かな時間ですが周辺の寺院なども拝観するようにしています。京都は古い都というだけでなく、文化の源となる伝統的な遺産が数多く現存している世界的にも希有な存在となっており、1200年の歴史の中で受け継がれた文化や建築物、あるいは芸術品や儀礼的風習などは全国各地に影響を与えています。生まれた土地ではないのに何処となく懐かしく、穏やかな気持ちになるのは不思議なものですね。★画像は京都市左京区にある「慈照寺(観音殿)」で、俗称では「銀閣寺」と呼ばれています。境内には1486年に建立された足利義政の持仏堂である「東求堂」があり、その中には日本最古の書院造りや仏壇の源流とされる位牌棚なども遺されています。★暦の上では立冬を迎えて日中でも肌寒く感じる日も多くなりました。いよいよ暖房器具の準備が必要になってきましたね。

「修業時代」

2025.10.30

今週末からは霜月。朝晩の凛とした空気に身が引き締まる季節となりましたね。★このところ毎日のようにお位牌の彫刻業務で慌ただしく過ごしています。画像は寺院様からご依頼をいただいたお位牌で、ご住職様の戒名を手彫りで仕上げます。どんなに慌ただしくても丁寧に仕上げなければなりませんね。★彫刻業務が忙しくなると時々、修業時代のことを思い出します。師匠は厳しい方でしたが、今から思えばじっと成長を見守ってくれていたように感じます。「失敗しても構わない、そこから学ぶことが大切だ」というのが口癖でした。初めの頃は何も掴めない状態でどこまでも師匠について行く、という漠然とした思いだったように記憶しています。不安が無かったかと言えば嘘になりますが、気持ちとしては山頂の見えない山の頂きを目指して登るようなイメージだったでしょうか。もちろん今でもゴールは見えませんが、慢心することなく精進するよう教えられました。「技術は大切だけど、物事に対して誠実に向き合う姿勢が根っこになければならない」という言葉も忘れることができません。今では相談することさえ叶いませんが、困難に遭遇する度に様々な言葉を思い出しますね。★今日は終日、雨の心配はなさそうです。ただ、週末にかけては雲の多い天候になる予報が出ていますね。

「松江祭鼕行列」

2025.10.20

今日の松江は昼前から小雨模様となりました。朝夕は冷え込み、一段と秋の深まりを感じるようになっていますね。★10月19日(日)には予定通り「松江祭鼕行列」が開催されました。プレイベントの「鼕まつり」も「宵宮」も雨で中止となっていましたので、鼕行列の当日に雨が上がったのは何よりでしたね。松江城大手前に集合した鼕宮は17台。松江城大手前から橋北の街を通り、松江大橋を渡って白潟天満宮までを練り歩く華やかな姿に沿道の人々は惜しみない拍手を送っていました。★私たちの場所からは運良く参加するほとんどの鼕の演舞を間近で眺めることができました。宮大工により伝統的な技法で組立てられた屋根を持つ鼕宮と鼕太鼓、そして町内ごとに受け継がれる鼕の響きと笛の音、それにチャンガラと子供達の掛け声が加わり、それらが融合して生み出される光景には感動します。松江市民にとっては大切な伝統行事のひとつになっていますね。★全国的には少子高齢化や人口の減少の影響で祭りの担い手不足から、伝統的な祭りでも継承すること自体が難しい時代となったとされています。それでも勇敢に取り組み、強い気持ちで乗り越えて受け継ぐ人々は地域の宝と言えるのではないでしょうか。★今週も肌寒さを感じる日が多くなりそうです。週の後半には晴れ間も見える予報になっていますね。