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「胡瓜」

2025.07.20

山陰でも連日のように日中の気温は上昇して厳しい暑さとなっています。屋内でも熱中症対策が必要になりそうですね。★暦では「土用の丑の日」を迎えました。これは「土用」の期間に迎える「丑の日」のことで、夏の暑さに対する滋養強壮としてウナギを食べる習慣があることで知られています。この習慣は江戸時代後期から始まったと伝えられていますが、ウナギのほか「う」の付くものを食べる習慣もあったようです。体の熱を下げる効果のある「キュウリ(胡瓜)」や「すいか(西瓜)」などの瓜(うり)、あるいは夏場でも食べやすく消化の良い「うどん」なども好まれたようです。暑い夏を乗り切るための先人達の生活の知恵だったのかもしれませんね。★また、土用の丑の日の時期には「弘法大師」がキュウリ(胡瓜)に疫病を封じ込めて病気平癒を祈願したことに由来する「胡瓜封じ」あるいは「きゅうり加持」と呼ばれる祈祷儀式が各地で行われます。これは夏野菜の「キュウリ」に病魔を封じ込め、暑い夏を乗り切ろうとする大陸の庶民信仰に起源があるとされています。和紙や草木で作った人形に穢れを移し、川や海に流して無病息災を願う「流し雛」などの民俗行事と似ているのは興味深いですね。★強い日差しの中でも逞しく育つ「胡瓜」の強い生命力にあやかって、元気にこの夏を乗り切りたいものです。

「お盆百科」

2025.07.10

暦の上では「小暑」を迎えました。江戸時代の「暦便覧」には「大暑来れる前なればなり」と記されており「徐々に暑さが増していく頃」とされます。今年は6月下旬の梅雨明けと同時に連日のように真夏日を記録しており、随分早く本格的な夏が到来したような印象ですね。★いよいよお盆まであと1か月余りとなり、私たちもお盆の準備のお手伝いで慌ただしくなってきました。例年、この時期になるとお盆のお供え方法についてのご質問を頂くようになります。特に初めてお盆を迎えるお宅では分からないことも多いと思いますので丁寧にご説明させていただいています。また、お盆について分かりやすく解説した冊子「お盆百科」(40ページ)もご準備しています。「盆提灯はいつから飾るの?」「盆飾りの牛と馬の意味は?」「迎え火・送り火ってなに?」などお盆の疑問を分かりやすく説明してあり、読みやすい内容になっています。店頭に置いてありますのでご自由にお持ち帰りください。また、盆棚の飾り方や、盆提灯の組立て方法などについて分からないことがあればお気軽にご相談下さい。★今週末も気温が上昇する予報になっているようです。水分補給を心掛けて体調管理に留意しなければなりませんね。

「茅の輪くぐり」

2025.06.30

早いもので令和7年も折り返しを迎えました。山陰地方では早くも梅雨が明けて夏本番ですね。★この時期になると全国の神社では「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」という神事が執り行われます。一年の前半を無事で過ごせたことに感謝するとともに、半年間の罪や穢れを祓い清め、残りの半年も無事で過ごせるよう願う神事とされています。現在は画像のような「茅の輪(ちのわ)」と呼ばれる輪をくぐり抜けてお祓いをする行事として知られていますね。(画像は阿羅波比神社)★神社に設けられる「茅の輪」は大きなものですが、もともとは腰に付けるほどの小さなものだったようです。奈良時代初期に編纂された「備後国風土記」にも「蘇民将来(そみんしょうらい)」の娘が「茅の輪」を腰につけ災厄から免れたという話が記されているそうです。「茅」は古くから神聖なもの、あるいは魔除けとしての呪力を持っているとも言われ、これが時代を経てやがて大きな「茅の輪」となり神社の鳥居などに取り付けられるようになったとされています。普段意識することはありませんが、日々の暮らしに浸透した文化そのものが日本固有の精神と信仰の姿を表しているように感じることがありますね。★来週にかけて気温も上昇する予報になりました。しっかり体調を整えて暑い夏を乗り切りたいものですね。

「漢字」

2025.06.20

今週は盆提灯の展示もできあがり、やり残した業務に集中しています。普段の仕事では墨で文字を書いたり、彫刻したり、あるいは特殊な技法で金色文字を書いたりします。それぞれ用いる道具は異なっており、彫刻の場合は朱色の墨と小刀、金色文字の場合は漆と金粉、墨書きの場合は黒墨を用います。画像は研ぎ上げる前の小刀で、彫刻には欠かせない道具の一つですね。★私たちはおもに「漢字」を取り扱っていますが、これらはいつの時代から用いられるようになったのでしょうか? 文献や出土品などの史料によれば、紀元前1600年~1050年頃の中国殷王朝の時代にはすでに使用されていたようで「甲骨文字」と呼ばれるものが「漢字」の起源となっていると考えられています。その役割は様々で、古くは神との対話を文字にして人々に伝える目的などのほか、支配者の偉大な功績を後世に残す記録や政治を円滑に進めるための手段などに用いられたとされています。日本に「漢字」が伝わったのは弥生時代の後半期、文字として使用されるようになったのは古墳時代中期となる5世紀頃からのようです。★文字を書くよりもパソコンのキーを打つ方が多くなっている昨今ですが、少しでも手で文字を書くという時間を持ちたいものですね。