「道具」
2026.02.20

暦の上では「雨水」を迎えました。朝晩の冷え込みは弱まって、日中の気温も上昇する日が多くなっていますね。★日々の仕事で使う道具には入荷してすぐに使えるものと、一定の準備が必要になるものがあります。画像は「蒔絵(まきえ)筆」と呼ばれるもので、先端の筒状の部分は破損しやすいので事前に絹糸を巻き黒漆で固めて補強してから使用しています。これらは漆で仏具に銘を書き入れたり絵柄を書いたり、また、お位牌の戒名を書き入れる時などにも用います。穂首の腹の部分でも太さが1ミリ程度しかなく、最初は針のような穂先で漆文字を書くなど信じられませんでしたが、書いてみると意外に使い易くて驚いたのを覚えています。★そもそも、人類が筆を使うようになったのはいつ頃からなのでしょうか? 古代エジプトの墓の副葬品などの中に草や葦などの植物素材を筆状にしたものが発見されていることから、紀元前2,000年ころには記録するための道具として筆が使用されていたと考えられています。また、中国の周時代の遺跡からは現代の筆とほぼ変わらない構造のものが発見されており、私たちの知る形状の筆は2,000年以上前から存在していたことになります。道具の歴史として考えれば驚くほど長寿命と言えそうですね。★日常生活の中での文書作成はパソコンに頼っていますが、絵や文字を表現したいという根源的な欲求がある以上、基本的な道具はさらに長い歴史を辿るのかもしれませんね。