header

スタッフブログ

「良寛」

2025.11.30

11月の後半からは気温も一段と低くなりました。松江城周辺の木々にも晩秋の気配が漂い始めていますね。★「裏を見せ 表を見せて 散る紅葉(もみじ)」 これは江戸時代の僧侶「良寛」が詠んだ辞世の句。越後国出雲崎の名主・橘屋の長男として生まれた良寛は18歳の若さで出家し、22歳になると円通寺(備中玉島)の国仙和尚を生涯の師と定め師事します。円通寺の戒律は厳しく「一日作らざる者は、一日食わず」として国仙和尚は日々言葉を変えて良寛に説きました。34歳の年に国仙和尚がこの世を去ると良寛は修行で諸国を巡り、その中で多くのすぐれた和歌や漢詩を残しています。★良寛は子供を慈しむ優しい心を持った僧で、民衆に対しても難しい説法は行わず簡素な言葉によって解りやすく仏法を説き、多くの人々に慕われたそうです。名誉や金銭には執着がなく、生涯にわたり自らの寺を持たず仏道に励んだことでも知られています。良寛は病に伏した晩年に冒頭の句を詠み、最期を看取った弟子の貞心尼がこれを記しています。裏も表もない素朴な生き方を常とした良寛和尚の人柄を表しているようですね。良寛の生き方や作品は後世の人々に伝わり、多くの文化人や歌人に影響を与えたとされています。★紅葉も散り始め、今年もあとひと月となりました。体調を整えて師走を乗り切りたいものですね。