「忍性」
2025.09.20

今日は秋のお彼岸入り。日中の暑さも和らいで、秋の訪れを感じる気候になりましたね。★仏教に関する書物には「慈悲」という言葉が頻繁に登場します。言葉としては理解しているつもりですが、どのような意味なのでしょうか? 仏教における「慈」は他者に安楽を与えたいと願う心、「悲」は他者の苦しみや困難から解放されることを願う心という意味になるそうです。お釈迦様は生涯を通してこの「慈悲」の心を持ち続け、その重要性を説かれたと伝えられています。★鎌倉時代に生きた「良観房忍性」は真言律宗の僧侶で、大変に慈悲深い方だったことで知られています。ハンセン病などの重病者を保護する施設の「北山十八間戸」を造り、多くの人々を救済しました。忍性は手足が不自由で数日間も食事をとれない患者を明け方に奈良坂まで迎えに行き、自ら背負って奈良の市中の乞場まで連れて行き、夕方には送ったとされ、これが休みなしに数年間も続いたそうです。また、非人の救済、捨子の養育、療養所の設置をはじめ、寺院の造営や橋、道などを造り困っている人々のために生涯にわたり尽くしたとされています。★お彼岸は御先祖に感謝するとともに「見返りを求めない施し(布施)」などの「六波羅蜜」を実践する期間とも言われます。気忙しい日常の中ではなかなか思うように行きませんが、日頃から少しだけでも心掛けたいものです。