「養生訓」
2025.09.10

今日の松江は雲の多い朝を迎えました。立春から数えて210日目となる今日は「二百十日」と呼ばれ、気候が不安定で台風が多くなる頃とされています。季節の変わり目でもあり、夏の疲れが現れる時期でもありますね。健康には十分に留意して過ごしたいものです。★「健康に留意する・・・」 私もよく使用する言葉ですが、具体的に何をどのように留意すれば良いのでしょうか? 江戸時代の儒学者である「貝原益軒」が著した「養生訓(1712年)」には健康に関する養生論が記されています。「運動を怠らず、控えめな食事、ほどよい休息を心掛けよ」「好物であっても腹八分目」「栄養を与えすぎると体が弱る」「酒はほろ酔いに留めよ」「季節ごとの気温や湿度に合わせて体調を管理せよ」とあります。普段の暮らしを省みると耳の痛くなるような言葉も記述されていますね。さらに「悩み苦しむと生命力がすり減る」「怒りと欲望は養生の大敵」「心は静かに、体は動かせ」としています。また、「孟子」の君子の三楽にちなみ養生の視点から「道を行い、善を積むことを楽しむ」「病に罹ることのない健康な生活を楽しむ」「長寿を楽しむ」などを奨めています。★300年も前に書かれた健康に関する指南書ですが、身体だけでなく「心の養生」についての記述があるのは意外な気がします。慌ただしい現代社会でこそ参考にしたい養生法なのかもしれませんね。