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お彼岸に「おはぎ」をお供えするのはなぜ?

2016.09.19

暑さ寒さも彼岸まで。日本の四季の移り変わりの節目に合わせた表現ですね。あれほど暑かった夏も終わり、本当に過ごしやすい気候に変わりました。★今日は彼岸の入りです。秋分の日を中日とした一週間を秋のお彼岸と呼びますが、この時期はあちらこちらで彼岸会が営まれます。また、お仏壇には「おはぎ」をお供えし、花を生け、お線香を焚きます。それではなぜお彼岸に「おはぎ」をお供えするのでしょうか?今は社会が安定して食べることに困らない時代ですが、昔はそうではなかったようです。明治時代になるまでの農民にとって白いご飯などは贅沢品で、何かのお祭りでもなければ食べなかったそうです。「おはぎ」や「牡丹餅」なども白米に糯米(もちごめ)を混ぜ、高価な餡(あん)で包んだいわゆる高級品でした。それを春と秋のお彼岸に作ってご先祖さまにお供えして感謝の気持ちを表す意味から始まった習慣だったようです。また、小豆の赤い色は魔除けの効果があるとして邪気を払うという意味もあったそうです。ご先祖さまに感謝し、自然の恵みに感謝する、実に日本的な文化ですね。ちなみに、季節の花に合わせて春には「牡丹餅」、秋には「お萩」と呼ぶそうです。ただ、最近では餡の種類に関わらず、年中「おはぎ」で統一しているところも多いようです。★今日の松江は朝から雨模様になりました。台風16号の動きも心配ですね。

「松平直政の生涯」特別展

2016.09.14

今日の松江は朝から雨雲に覆われました。時折、小雨も降っていますね。★殿町にある松江歴史館では松平直政の没後350年を記念して特別展「松平直政の生涯」が9月16日から開かれます。直政は松平家の初代松江藩主で徳川家康の孫にあたり、松平家10代の礎を築いた人物です。徳川家康が豊臣秀頼を攻めた大阪冬の陣では1614(慶長19)年に若干14歳の直政が越前松平家や加賀前田家が攻めあぐねる中、一人先駆けして真田丸に乗り込み人々を驚かせました。直政の若武者ぶりを諫め、矢面に立って直政を守ろうとした従士の天方通総とのやり取りを城内から見た真田信繁(幸村)は感じ入り矢を射させずその勇気を称え、櫓から直政に軍扇を投げ与えたと伝わっています。今回の特別展では松平家伝来の「真田軍扇」をはじめ「徳川家康の護持仏」など多数展示されます。また、新たに発見された「真田丸絵図」などの展示品も興味深いですね。★明日は晴れる予報が出ていますが、週末はまた不安定な天気になりそうです。

重陽(ちょうよう)の節句

2016.09.09

松江は朝から爽やかに晴れて過ごしやすい一日でした。日中は気温も上がりましたが汗ばむほどではありませんでしたね。★古くから旧暦の9月9日には「重陽(ちょうよう)の節句」として無病息災や不老長寿を願い「菊花酒」というお酒を飲む風習があったそうです。「草の戸や日暮れてくれし菊の酒」(芭蕉)。これは、世間で祝われている菊の酒の節句も隠遁(いんとん)の自分には無関係とあきらめていたところに思いがけなく日暮れになって一樽届いた場面での、嬉しさと日暮れの淋しさを詠んだ芭蕉の句です。今では「桃の節句」や「端午の節句」、「七夕の節句」などに比べて馴染みは薄くなりましたが、昔はあちらこちらで「菊の宴」が催されたそうです。現在でも京都などでは「重陽の節句」を執り行う寺院もあります。また、綿に菊の花をのせて露を含ませ体を拭うと長寿を保てるといわれる「菊の着綿(きせわた)」という行事もあるそうです。なかなか風情のある節句ですね。★明日も日中は晴れそうですね。ただ、日曜日からは崩れる予報になりました。

段盛(だんもり)

2016.09.04

今日の松江は朝から雲が広がっています。風は強くありませんが今にも降り出しそうな気配ですね。★段盛(だんもり)という仏具を修理でお預かりしました。これは段重ねになった棚にそれぞれ供物をお供えできる仏具で、お仏壇の中段や須弥壇、施餓鬼壇の上で使用されます。浄土真宗では本願寺派、仏光寺派で用いられる仏具ですが、地域によっては真宗以外でも使用されます。画像は修理途中の「水研ぎ」が終了した段階のものです。昭和の中頃以降の製作かと思われますが、漆はしっかりと木地に食い付いていますね。刷毛塗り仕上げの暖かな印象で金箔の部分も下塗りは艶消しの黒を含んでおり職人のこだわりを感じます。この後、下地処理を施してから塗りになります。★台風10号は東北地方、北海道に大きな被害をもたらしましたが、被害のニュースには胸が痛みます。台風12号も今日から明日にかけて九州に上陸する恐れがあるそうです、十分に警戒したいですね。