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スタッフブログ

「盆提灯」

2025.06.10

暦は移り明日は「入梅」。暦と重なるように全国の広い地域で梅雨入りとなりました。松江でも今朝は雨雲の広がる空模様となっていますね。★6月になると私たちは盆提灯の展示を始めます。画像のような「大内提灯」と呼ばれる三本足の組み立て式のものをはじめ、組み立て方法の簡単な伸縮型の提灯なども展示させていただきました。近年はモダンなお仏壇に合うシンプルな構造の提灯も多くなっていますね。★仏教では「六種供具」のひとつとして古くから「灯明(とうみょう)」が用いられてきました。灯明はその闇を破る悟りの智慧、あるいは般若をあらわすなどと解釈されます。提灯は照明器として独自に発達した歴史があるとされますが、やがてお盆の魂迎えや魂送りに用いられるようになったと考えられています。江戸時代の慶長年間(1596~1615年)には岐阜地方に産する竹を骨として美濃紙を張った提灯を領主の尾州候が三代将軍に献上したという記録が残されています。江戸で一般に軒先に吊して用いられるようになったのは、さらに時代が下った江戸時代後期の文政、天保年間の頃になってからだそうです。★灯火の燃料を準備することが簡単ではなかった時代の人々にとって「明かり」は現代では想像もできないほど大切なものだったのかもしれませんね。