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スタッフブログ

「栄西」

2019.05.08

松江では「八十八夜」を迎えてすっかり初夏の気配が漂うようになりました。茶摘みの最盛期を迎えるこの時期には朝晩の冷え込みもほとんど感じなくなりますね。★「茶は養生の仙薬なり…」で始まる「喫茶養生記」は臨済宗の僧侶「栄西」が著した代表的な医書とされています。栄西は備中(岡山県)吉備津神社の神官の子として生まれ、14歳で比叡山に登り天台宗の僧侶として修行、のちに「臨済宗」を開いています。もともと日本のお茶は遣唐使船などによって茶の苗木が持ち込まれ、寺院の境内などに植えられたのが始まりとされていますが、当時は茶を用いたのは一部の貴族や僧侶だけだったそうです。そのため平安時代に入ってからは茶の飲用は一時途絶えた状態にあったと言われています。その後、1191年に「栄西」が中国から多数の苗木や種を持ち帰り、九州の平戸島や背振山に植えたことで茶を飲用する文化が各地に広まったとされています。さらに仏教では飲酒が五戒の一つになっていることから、お酒に代わって喫茶が推奨され寺院を中心に一段と普及したようです。「喫茶養生記」の中では茶の効能が詳しく示されており、茶は長寿の妙薬であると説かれています。お茶は当時から健康的な飲み物だったようですね。★「立夏」を過ぎてからは日中の気温も上昇しているようです。温かいお茶から少しずつ冷たいお茶を飲むようになるのもこの時期からですね。